相続税を税理士に頼むといくらかかりますか?相続税 税理士 費用 誰が 払うか、相続税 税理士 報酬 高いんじゃないか…なんて、不安になりますよね。
こんにちは!終活・相続・不動産相続の専門家、やえです。
結論から言うと、税理士費用相続税の相続税 税理士 報酬 目安は、遺産総額の0.5%~1.0%程度が相場ですよ。ただ、相続税申告料金表を見ても、土地評価や税理士に丸投げする場合の費用などで金額は大きく変わります。Web上の相続税 税理士 報酬 シミュレーションは、あくまで参考値なんです。
この記事では、相続 税理士 必要か、相続税 税理士 に頼まない場合のリスク、相続税 税理士 費用 控除や相続税 税理士 報酬 経費の扱い、そして上手な相続税 税理士 探し方までスッキリ解説しますね!
この記事のポイント
- 税理士費用の具体的な相場と料金体系
- 費用が高くなるケースとその理由
- 税理士費用を誰が負担すべきか、そのパターン
- 費用を抑えるため自分で申告するリスクと税理士の探し方

相続税の申告って、一生に何度も経験することじゃないから、費用のことって本当に分かりにくいですよね。
私もこれまでたくさんの相談を受けてきましたが、一番もったいないのは、「費用がいくらかかるか分からないから」という理由で専門家への相談が遅れてしまうことなんです。
適正な相場を知って、納得して依頼できる税理士さんを見つけることが、円満な相続への第一歩ですよ!
税理士費用相続税の相場と内訳

相続税を税理士に頼むといくらかかりますか
相続税の申告を税理士に依頼した際にかかる費用は、結論から言うと「遺産総額」や「財産の内容」によって大きく変動します。
これは、相続する財産の種類や複雑さによって、税理士の作業量や必要な専門知識がまったく異なるためです。
多くの税理士事務所では、報酬体系を「基本報酬」と「加算報酬」の2階建てで設定しています。
基本報酬とは?
基本報酬は、相続税申告書を作成するための基本的な作業費用です。これには通常、相続関係の確認、財産目録の作成、標準的な財産評価(預貯金や上場株式など)、遺産分割協議書(シンプルなもの)の作成サポート、そして申告書の作成・提出代行が含まれます。
加算報酬とは?
加算報酬は、基本報酬に含まれない、特別な手間や専門性が要求される作業に対して追加される料金です。例えば、以下のようなケースが典型です。
- 土地の評価:相続財産に土地が含まれる場合、ほぼ必ず発生します。単なる宅地だけでなく、農地、山林、あるいは不整形地(いびつな形の土地)や無道路地(道路に面していない土地)など、評価が複雑になるほど高額になります。
- 非上場株式の評価:故人が会社を経営していた場合など、市場価格のない株式(非上場株式)の評価は、会社の財産や収益力を詳細に分析する必要があり、非常に専門的で時間もかかります。
- 相続人の数:相続人が多いと、それだけ書類のやり取りや調整作業が増えるため、加算報酬の対象となることがあります。
- 申告期限までの期間:申告期限(相続開始を知った日の翌日から10ヶ月)が迫っている場合、短期間で作業を完了させるための「特急料金」が加算されることがあります。
このように、相続財産が「預貯金1億円のみ」の場合と、「5,000万円の預貯金と5,000万円の複雑な土地」の場合では、同じ遺産総額1億円でも、後者の方が土地評価の加算報酬が必要となるため、税理士報酬の総額は高くなります。
相続税 税理士 報酬 目安は遺産総額の0.5%

前述の通り、税理士の報酬は事務所によって異なりますが、一般的な目安として「遺産総額の0.5%~1.0%」と言われています。
この相場は、実は2002年に廃止された「税理士報酬規定」という昔の基準が、今でも業界の慣例として残っていることが背景にあります。
例えば、遺産総額が5,000万円の場合、報酬の目安は25万円~50万円程度となります。遺産総額が1億円であれば、50万円~100万円程度ですね。
この「遺産総額」とは、借入金などの債務や小規模宅地等の特例などを適用する前の、プラスの財産全体の総額を指すことが一般的です。
なぜ遺産総額に連動するのかというと、遺産総額が多ければ多いほど、評価すべき財産の数や種類が増え、手続きが複雑になります。
また、万が一申告にミスがあった場合の影響額(追徴課税のリスク)も大きくなるため、税理士が負う責任も重くなります。このため、作業量と専門性、そしてリスクに応じて報酬が設定されているのです。
税理士報酬は2002年から自由化されている
記事にある通り、かつて税理士の報酬は日本税理士会連合会が定めた「税理士報酬規定」により最高限度額が定められていました。
しかし、公正な競争を促進する観点から、2002年(平成14年)3月をもってこの報酬規定は廃止されました。それ以降、税理士の報酬は各事務所が自由に設定できる仕組みとなっています。現在でも旧規定を参考に報酬体系を決めている事務所が多いため、「遺産総額の0.5%~1.0%」が相場として残っているとされています。
注意点:最低報酬額と財産内容を要確認!
これはあくまで「目安」です。最近では、相続税専門の事務所では「最低報酬額 30万円~」といった形で、一定の金額を設定しているところも多いです。
そのため、遺産総額が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)をわずかに超えるようなケースでは、報酬の割合が1.0%を大きく超えることも珍しくありません。
また、同じ1億円の遺産でも、「すべて預貯金」の場合と「複数の土地と非上場株式」の場合では、作業量がまったく違うため、報酬額も当然変わってきます。
相続税申告料金表で見る費用の違い
税理士事務所のホームページなどには、よく「相続税申告料金表」が掲載されていますよね。あの表を見るときにチェックしてほしいポイントをご紹介します。
多くの料金表は、以下のように遺産総額の区分で基本報酬が設定されています。料金表はあくまで一例であり、事務所によって大きく異なります。
| 遺産総額 | 基本報酬(税別) |
|---|---|
| ~5,000万円 | 300,000円~ |
| ~8,000万円 | 500,000円~ |
| ~1億円 | 700,000円~ |
| ~1億5,000万円 | 900,000円~ |
ここで最も重要なのは、「基本報酬」ではなく「加算報酬」の項目です。
基本報酬が安く設定されていても、加算報酬が積み重なって、最終的な請求額が他の事務所より高くなるケースはよくあります。
特に以下の項目が「別途見積もり」や「加算」となっていないか、必ず確認しましょう。
料金表でチェックすべき「加算報酬」の項目
- 土地評価:1利用区分(1画地)につき 50,000円~100,000円など。ここが一番大きな差が出ます。現地調査や役所調査が必要な場合、さらに追加費用がかかることもあります。
- 非上場株式評価:1社につき 150,000円~。「会社の財産状況や収益性を分析し、株価を算定する」という非常に複雑な作業のため、高額になりがちです。
- 相続人加算:相続人1名増えるごとに 基本報酬の10%(または固定額)など。
- 期限直前加算:申告期限まで3ヶ月未満の場合 報酬総額の20%~50%など。
- その他の財産:ゴルフ会員権、書画骨董など、評価に手間がかかる財産。
料金表を見ときは、「うちの場合は、土地が2ヶ所あって、相続人は3人だから…」と、「自分の場合、どの加算報酬が適用されそうか」を考えながら総額をイメージすることが大切ですよ。
基本報酬の安さだけで飛びつかないように注意してくださいね。
相続税 税理士 報酬 シミュレーションの活用法

最近は、Webサイト上で遺産総額や財産の種類を入力すると、税理士報酬を自動で計算してくれる「シミュレーション」機能も増えてきました。
これは、「だいたいの相場観を知る」という点では非常に便利です。特に相続税申告が初めてで、いくら準備すればよいか見当もつかない方にとっては、手軽に目安を知ることができる良いツールと言えます。
複数の事務所のサイトでシミュレーションを試してみることで、料金体系の違いを比較することもできるでしょう。
ただ、このシミュレーションにはデメリットや注意点もあります。便利だからこそ、その限界も知っておく必要があるんです。
シミュレーションの注意点(限界)
- 複雑な土地評価が反映されない:シミュレーションでは「土地あり/なし」は選べても、「がけ地」「不整形地」「広大地」といった個別の複雑な土地評価の加算は、まず反映されません。
- 個別の作業量が見積もりに含まれない:故人の預金移動が激しく、生前贈与や名義預金の調査に時間がかかる場合や、相続人同士の仲が悪く調整に手間がかかる場合など、個別の事情は一切考慮されません。
- あくまで「最低限の報酬」の提示:多くの場合、シミュレーションで表示されるのは「最もスムーズに進んだ場合の最低報酬」です。実際には「~(から)」と表示されている通り、追加費用がかかる可能性が高いです。
シミュレーション結果は「参考価格」として、「このくらいの金額がかかる可能性があるんだな」と捉えるのが正解です。
シミュレーション結果=契約金額ではないことを理解しておきましょう。
最終的には必ず税理士に直接面談し、ご自身の財産状況を具体的に説明した上で、正式な見積もりを依頼しましょう。
その際、「Webのシミュレーションでは〇円でしたが、この見積額との差額は、どの作業(例:土地評価)に対するものですか?」と具体的に質問すると、費用の内訳が明確になり、納得感も高まりますよ。
なぜ相続税 税理士 報酬 高いと感じるのか
「相続税の税理士報酬は高い!」と感じる方も少なくありません。数十万円、場合によっては百万円を超える費用がかかるわけですから、そう感じるのも無理はありません。
ですが、そう感じるのには、ちゃんとした理由があるんです。主に、以下の3つの理由が考えられます。
- 作業が高度に専門的で、時間を要するため
相続税申告の肝は、何度も言うように「財産評価」です。特に土地の評価は税理士の腕の見せ所。
例えば、土地の形状が悪い(不整形地)、道路に接していない(無道路地)、騒音がひどい(線路沿い)などのマイナス要因を見つけ出し、評価額に正しく反映させる作業は、非常に専門的です。
税理士は、役所で都市計画図や建築確認の履歴を調べ、現地に赴いて写真を撮り、測量図と見比べ…といった地道な調査を行います。
この専門的な技術料と調査の手間が報酬の大部分を占めています。この評価一つで、納税額が数百万円、数千万円変わることもあるのです。 - 申告書に対する「専門家としての責任」が重いため
税理士は、作成した相続税申告書に署名押印します。これは「この申告内容は、税の専門家として私が責任を持って確認しました」という公的な証です。
もし、その申告書にミスがあり、税務調査で指摘されれば、納税者が追徴課税を負うだけでなく、税理士自身の信用問題になります。
この「税務署に対する重い責任」も費用に反映されているんです。
特に、申告書の品質を税理士が保証する「書面添付制度」を適用する場合、税理士はより詳細なチェックを行うため、その分の責任と作業が伴います。 - 「節税」や「円満相続」のコンサルティングが含まれるため
報酬が極端に安い事務所は、もしかすると「財産を単純に評価して申告書を作るだけ」かもしれません。しかし、専門性の高い税理士は、単なる申告作業に留まりません。
例えば、「二次相続」(今回はお父様、次にお母様が亡くなる相続)まで見据えて、「今回はお母様がこのくらい相続した方が、トータルの税金は一番安くなりますよ」といった遺産分割のアドバイスを行います。
また、相続人間でトラブルが起きないような分割案を一緒に考えてくれることもあります。こうした「節税」や「円満相続」のためのコンサルティング料が含まれている場合、報酬は高く見えますが、トータルで得られるメリットは非常に大きいと言えます。
報酬が高いと感じたら、「なぜこの金額なのか」「どのような作業が含まれているのか」をしっかり確認することが大切です。
「高い=悪」ではなく、「高いなりの理由(専門性やサービス)」があるかを、ぜひ見極めてくださいね。
税理士に丸投げする場合の費用とは

「仕事や育児で忙しいから、面倒な手続きは全部(丸投げ)お願いしたい!」というご相談も本当によくあります。私もそのお気持ち、よーく分かります!
ただ、ここで言う「丸投げ」がどこまでの範囲を指すかで、税理士に支払う費用は大きく変わってきます。
税理士が「相続税申告」の専門家であるのに対し、相続手続きには他の専門家の領域も含まれるからです。「丸投げ」の範囲を分解してみましょう。
「丸投げ」の範囲と費用(目安)
- ①相続税申告のみ(基本)
これが税理士の基本業務です。この場合、戸籍謄本(故人の出生から死亡まで)や金融機関の残高証明書など、申告に必要な資料は、原則として相続人ご自身で集めていただく前提の料金です。 - ②書類収集も代行依頼(+行政書士など)
「①の書類集めも全部やってほしい!」という場合です。故人の本籍地が点々としていると、全国の役所に戸籍を請求する必要があり、非常に手間がかかります。
これを税理士(または提携の行政書士)に依頼する場合、別途5万円~15万円程度の代行手数料がかかるのが一般的です。 - ③遺産分割協議書の作成
相続人全員の合意内容を法的な文書にする作業です。シンプルな内容であれば基本報酬に含まれている事務所も多いですが、複雑な分割(不動産を共有名義にするなど)の場合、別途3万円~10万円程度の費用がかかる事務所もあります。 - ④不動産の名義変更(+司法書士)
相続したご実家や土地の名義変更(相続登記)は、司法書士の独占業務です。税理士はこれを行えません。
通常、提携している司法書士を紹介damping、税理士報酬とは「別」に、司法書士への報酬と登録免許税(固定資産税評価額の0.4%)の実費がかかります。 - ⑤相続トラブルの対応(+弁護士)
もし遺産分割で揉めてしまった場合、その交渉や調停・裁判の代理は弁護士の独占業務です。税理士は間に入れません。
最近は、税理士、司法書士、行政書士、弁護士が連携して「相続手続きワンストップサービス」をパック料金で提供している事務所もあります。
「全部おまかせ」が希望の場合は、見積もりの際に「どこからどこまでの作業を代行dampingらうのか」を明確にし、税理士報酬以外に、司法書士や行政書士の費用が総額でいくらかかるのかを必ず確認してくださいね。
「税理士報酬は安かったけど、結局司法書士費用が高くついた…」なんてことにならないようにしましょう。

私のお客様でも、料金表だけを見て「A事務所が一番安い!」と決めそうになった方がいらっしゃいました。でも、よくよく見積もりを見比べたら、A事務所は土地評価が「別途見積もり」になっていて…。
結局、土地評価や書類収集も全部コミコミだったB事務所の方が安くなった、なーんてことも!「総額でいくらになるか」、この視点が本当に大事ですよ!
税理士費用相続税の負担と申告のポイント

相続税 税理士 費用 誰が 払うべきか
「税理士費用は、一体誰が払うの?」これも、相続人同士で意外と揉めがちなポイントです。
結論から言うと、「誰が払わなければならない」という法律上のルールはありません。
相続税自体は、財産を取得した各相続人がそれぞれ納付義務を負いますが、申告手続きにかかる税理士報酬については、相続人同士が話し合って、納得できる方法で負担すればOKです。
実務上、よく見られる負担パターンとしては、以下の3つが多いですね。
- 相続財産(故人の遺産)から支払う
最も公平で、一番おすすめする方法です。故人の預貯金など(これを「遺産」と呼びます)から、相続税申告にかかる費用を支払う方法です。
これを行うには、相続人全員の合意が必須です。「税理士報酬は相続財産から支払います」という旨を遺産分割協議書に明記しておくと、後々のトラブル防止に万全です。金融機関での預金解約後などに、代表相続人がまとめて支払う形がスムーズです。 - 相続分(取得割合)に応じて按分する
各相続人が実際に相続する財産の割合に応じて、税理士費用も分担する方法です。例えば、遺産総額1億円で、長男が6,000万円(60%)、長女が4,000万円(40%)を相続し、税理士報酬が100万円だった場合、長男が60万円、長女が40万円を負担するといった形です。これも公平感がありますね。 - 特定の相続人が(多めに)負担する
例えば「手続きの窓口を全部やってもらったから」と代表相続人である長男が全額負担したり、「一番多く財産をもらうから」「家を相続するから」と特定の相続人が負担したりするケースです。相続人同士が納得していれば、もちろんこれもアリです。
おすすめ:配偶者が負担する「二次相続」対策
もし相続人に配偶者(お母様など)がいらっしゃるなら、配偶者が費用を全額負担することも、節税戦略として非常に有効な場合があります。
なぜなら、配偶者は「配偶者の税額軽減」という強力な特例により、最低でも1億6,000万円までは相続税がかからないケースがほとんどです。
その配偶者がご自身の(相続した)財産から税理士費用を支払うことで、配偶者自身の財産を意図的に減らすことができます。
これがなぜメリットかというと、将来、その配偶者(お母様)が亡くなった時の相続(=二次相続)で、お子さんたちが支払う相続税の負担を軽くできる可能性があるからです。二次相続では配偶者の税額軽減は使えませんからね。これは専門的な判断が必要なので、税理士に相談してみると良いでしょう。
相続税 税理士 報酬 経費として扱えるか

「税理士報酬は経費になりますか?」というご質問。これは「何の経費か」で答えが明確に変わります。
もし、ご質問の意図が「ご自身が経営する会社や、個人事業(フリーランスなど)の確定申告で経費(必要経費)にできますか?」という意味であれば、答えは明確に「No」です。
所得税の計算における必要経費とは、あくまで「事業で売上を上げるために直接かかった費用」(例えば、仕入れ費、交通費、広告宣伝費など)を指します。
相続税の申告費用は、個人の財産を「相続する」という私的な行為のためにかかった費用であり、ご自身の事業の売上とは一切関係がありません。したがって、事業の経費として計上することはできないのです。
相続したアパート経営の経費にもなる?
「では、親から賃貸アパートを相続した場合、そのアパートの相続にかかった税理士費用は、今後の不動産所得の経費にできますか?」というご質問も頂きますが、これも答えは「No」です。
理由は同じで、税理士報酬はあくまで「アパートを相続するための申告費用」であり、「アパート経営で家賃収入を得るための費用」ではないからです。
残念ながら、個人の相続にかかった費用は、所得税の計算上は経費として認められない、と覚えておきましょう。
相続税 税理士 費用 控除は可能か
では、質問を変えて「所得税の経費でなくても、相続税の計算上、遺産総額から控除(差し引き)できますか?」というご質問。これも残念ながら、答えは「No」です。
相続税の計算では、亡くなった方が残したプラスの財産(預貯金や不動産)から、マイナスの財産(借金や未払いの税金)を差し引くことができます。
さらに、故人が亡くなったことに直接関連する費用、つまり「葬儀費用」(お通夜、告別式、火葬、納骨費用など)も遺産総額から差し引くことができます。これを「債務控除」や「葬式費用の控除」と呼びます。
(参照:国税庁「No.4129 相続財産から控除できる債務」)
しかし、相続税申告のために税理士に支払う報酬は、この控除の対象には含まれていません。
なぜか?国税庁の考え方としては、この税理士報酬は「亡くなった方が残した債務」や「死亡に直接関連する費用」ではなく、「相続が開始した後に、相続人が申告手続きと納税をするために支払う費用」とされているからです。
あくまで相続人の都合で発生した費用、という位置づけなんですね。
控除できるもの、できないもの
- 控除できる(〇):故人の借入金、未払いの医療費、未納の税金、葬儀費用
- 控除できない(✖):相続税の申告税理士報酬、香典返し、墓地や墓石の購入費用、相続登記の司法書士報酬
税理士費用は遺産総額から差し引けない、と覚えておきましょう。
そもそも相続 税理士 必要か

「相続税の申告って、そもそも税理士に頼まないとダメなんですか?」
もちろん、そんなことはありません。税務署の窓口で相談dampingら、ご自身で申告書を作成し、提出することも法律上は可能です。
ですが、現実としてどれくらいの方が税理士に依頼しているかご存知ですか?
国税庁が発表した「令和4年分 相続税の申告事績の概要」によると、相続税の申告のうち、実に86.0%は税理士が関与しています。
つまり、相続税申告をする方の10人中8~9人は、費用を払ってでも税理士に依頼しているのが現実なんです。
相続税申告の約86%に税理士が関与
記事で言及されている通り、相続税の申告は非常に専門性が高く、多くの方が税理士に依頼しています。
財務省が取りまとめた「令和4年度 国税庁実績評価書」という公的な報告書によると、相続税の申告における税理士の関与割合は 85.9% に上ります。
これは、法人税(89.5%)とほぼ同水準であり、所得税(19.6%)と比較すると極めて高い割合です。この数字からも、相続税申告には専門家である税理士のサポートが不可欠と考える方が大多数であることがわかります。
なぜ、これほど多くの方が税理士に依頼するのでしょうか。それは、税理士報酬を支払ってでも、それ以上のメリットがあると考える方が多いからです。
税理士に依頼する主なメリット
- 適正な財産評価(特に土地)による節税
これが最大のメリットかもしれません。税理士は土地評価のプロです。素人計算では「路線価×面積」でしか評価できない土地も、プロが評価すれば、不整形地、間口が狭い、騒音がある等の理由で評価額を2割、3割と下げられるケースも珍しくありません。評価額が下がれば、もちろん相続税も安くなります。 - 特例の適用漏れを防ぎ、納税額を最小限に
「小規模宅地等の特例」や「配偶者の税額軽減」など、相続税には強力な節税特例がありますが、要件が非常に複雑です。「使える」と思って申告したら要件を満たしておらず、後で多額の税金を払うことになるのは最悪のケース。専門家なら、どの特例が使えるかを正確に判断し、適用してくれます。
- 複雑な手続きの手間と時間、精神的負担の削減
相続発生後は、役所や金融機関の手続き、法要などで本当に慌ただしいものです。その上、慣れない相続税の計算や申告書作成をご自身で行うのは、膨大な時間と精神的な負担がかかります。これを専門家に任せることで、故人を偲ぶ時間やご自身の生活に集中できます。
これらのメリットと、支払う税理士報酬を天秤にかけ、多くの方が「依頼するメリットの方が大きい」と判断されているわけですね。
相続税 税理士 に頼まない場合のリスク
逆に、税理士報酬を節約するために、税理士に頼まずにご自身で申告(自力申告)する場合、どのようなリスクがあるでしょうか。
特に以下の4つのリスクが心配です。
税務調査の「85.8%」で申告漏れが指摘されている
自力申告の最大のリスクの一つが、税務調査による申告漏れの指摘です。
日本の公的機関である国税庁が発表した「令和4事務年度における相続税の調査の状況」によると、実地調査が行われた件数は8,196件でした。そのうち、申告漏れなどの非違(間違いや漏れ)があった件数は7,036件に上ります。
これは、実地調査を受けた場合、85.8% という非常に高い割合で何らかの指摘を受けていることを意味します。
税務署は金融機関の履歴などから詳細な情報を把握しているため、「バレないだろう」という自己判断は非常に危険です。
自力申告の主な4大リスク
- 相続税の「過大納付」のリスク
これが一番多く、そして怖いリスクです。ご自身で申告すると、土地の評価を「路線価図」や「固定資産税評価額」だけで計算してしまいがちです。
しかし、前述の通り、土地の評価には多くの減額要因があります。
これを見落とし、本来の価値より高く評価してしまい、必要以上に高い税金を納めてしまうケースです。税務署は「税金を払いすぎですよ」とは絶対に教えてくれません。
払いすぎた税金を取り戻す「更正の請求」という手続きもありますが、申告期限から5年以内で、かつ「自分でミスの内容を証明する」必要があり、非常に困難です。 - 「申告漏れ」による追徴課税のリスク
税務署が税務調査で最も注目するのが、「名義預金(奥さんやお孫さん名義になっている、実質は故人の預金)」や「亡くなる直前の生前贈与」の計上漏れです。
税務署はKSK(国税総合管理)システムなどで個人の財産情報をかなり把握しています。「これはバレないだろう」と申告しなかった財産が税務調査で発覚すると、本来の税金に加えて、ペナルティが課されます。 - ペナルティ(加算税・延滞税)の発生
申告漏れや計算ミスを税務署から指摘されると、ペナルティとして「過少申告加算税」(最大15%)、もし意図的に隠していた(仮装・隠蔽)と判断されると「重加算税」(最大40%)という重い税金が課されます。
さらに、納付が遅れた日数分の利息としての「延滞税」も取られます。(参照:国税庁「No.4148 相続税の加算税」) - 「特例の適用ミス」による納税額の激増
例えば「小規模宅地等の特例」は、自宅の土地の評価額を80%も減額できる強力な特例ですが、適用要件(誰が相続するか、申告期限まで住み続けるか等)が非常に複雑です。
「使える」と思って申告したら、要件を満たしておらず税務署から否認された…となると、納税額が一気に数千万円単位で跳ね上がる可能性もあります。
税理士報酬数十万円を節約したつもりが、結果として「数百万円の税金を余計に払った」「数百万円のペナルティを取られた」となっては、元も子もありませんよね。
自力申告は、これらのリスクをすべてご自身で負う覚悟が必要になります。
失敗しない相続税 税理士 探し方

「じゃあ、やっぱり税理士に頼みたい!でも、どうやって信頼できる人を探せばいいの?」
そうですよね、コンビニより多いと言われる税理士事務所の中から、「相続」に強い専門家を見つけるのは大変です。
失敗しない税理士探しのチェックポイントは4つです!
相続税理士 探しの4つのチェックポイント
- 「相続税」を専門・得意としているか これが一番重要です!税理士にも、お医者さんと同じように「内科(法人顧問)」や「外科(相続税)」といった得意分野があります。
例えですが、お腹が痛いときに眼科に行きませんよね?
会社の決算が得意な税理士が、相続税の土地評価に詳しいとは限りません。 見分け方は、ホームページに「相続税申告 年間〇〇件以上」「相続税専門」とはっきり書かれているか、相続に関する情報発信(ブログなど)が豊富か、などです。
税理士自身の経歴(元国税局の資産税担当OBなど)も、専門性の一つの目安になる場合があります。 - 料金体系が明確か 「相続税申告一式 〇〇円」といった曖昧な料金設定ではなく、「基本報酬」と「加算報酬」(土地評価、非上場株、相続人の数など)の内訳がはっきりと明示されている事務所を選びましょう。
契約前に、ご自身の財産状況を説明した上で「総額でいくらになるのか」の見積書をきちんと出してくれる税理士が信頼できます。
複数の事務所で見積もりを取る「相見積もり」も有効ですが、安さだけで選ぶのは危険です(前述のリスク参照) - 説明が丁寧で分かりやすいか(相性) ほとんどの事務所が「初回相談無料」です。これを活用して、必ず実際に会って(またはWeb面談で)話してみましょう。
その際、「専門用語ばかりで何を言っているか分からない」「こちらの質問を遮って話し続ける」「上から目線で怖い」と感じたら、その人とは相性が悪いかもしれません。
相続手続きは申告期限まで数ヶ月の付き合いになります。あなたの不安や疑問に、専門用語を噛み砕いて、丁寧に説明してくれる「話しやすい」パートナーを見つけてください。 - 節税(二次相続)のアドバイスをくれるか 「今回の申告(一次相続)」だけを見て申告書を作る税理士は普通です。
一流の相続税理士は、「次の相続(二次相続)」まで見据えたアドバイスをくれます。
例えば、「お父様の今回の相続では、お母様が特例で財産を多く相続すれば税金はゼロです。でも、そうすると次のお母様の相続の時、お子さんたちの税負担が激増しますよ。
ですから、今回はあえてお母様の相続分を減らして、お子さんたちが少し相続税を払っておいた方が、トータル(一次+二次)の税金は安くなりますよ」といった、一歩踏み込んだシミュレーションとアドバイスをくれる税理士は、本当のプロフェッショナルです。
税理士費用相続税についてよくあるご質問FAQ
-
相続税申告の税理士費用は分割払いできますか?
-
事務所によりますが、分割払いに対応してくれるケースもあります。ただし、基本的には申告書の提出・納税時までの一括払いが多いため、契約前に必ず確認しましょう。
-
税理士費用を安く抑える方法はありますか?
-
戸籍謄本や預金残高証明書など、自分で用意できる書類は自分で集めることです。書類収集の代行費用を節約できる場合があります。ただし、節約できる額は数万円程度が一般的です。
-
税理士への相談料はいつから発生しますか?
-
「初回相談無料」としている事務所がほとんどです。無料相談をおすすめします。まずは無料相談で相性や見積もりを確認し、正式に依頼(契約)するまでは費用は発生しないのが一般的です。
-
もし税務調査が入ったら、その対応も費用に含まれますか?
-
含まれていないケースがほとんどです。税務調査の立会いや対応は、申告報酬とは別に「日当」や「成功報酬」として別途費用がかかるのが一般的です。この点も契約時に確認しておくと安心ですね。

相続税の申告は、10ヶ月という期限がある「プロジェクト」みたいなものなんです。そのプロジェクトを任せる「パートナー」が税理士さん。報酬額だけで選んでしまうと、プロジェクトが炎上(=税務調査や家族トラブル)しかねません。
「この人となら一緒に乗り越えられそう!」そう思える、信頼できるパートナーをしっかり見極めてくださいね。いつでも応援しています!
まとめ:税理士費用相続税の疑問を解消

最後に、この記事の要点をまとめておきますね。
- 税理士費用相続税の相場は遺産総額の0.5%~1.0%が目安
- 報酬は「基本報酬」と「加算報酬」で構成される
- 土地や非上場株があると加算報酬で高くなる傾向
- Webのシミュレーションはあくまで参考値
- 報酬が高いと感じる理由は専門的な作業と責任の重さ
- 「丸投げ」は書類収集代行などで別途費用がかかる
- 税理士費用は誰が払うか法的な決まりはない
- 相続財産から支払うか相続分で按分するのが一般的
- 配偶者が払うと二次相続対策になる場合も
- 税理士報酬は所得税の経費にはならない
- 税理士費用は相続税の債務控除の対象外
- 相続税申告の86%は税理士が関与している
- 税理士に頼まない(自力申告)と過大納付のリスクがある
- 申告漏れで追徴課税のリスクも高まる
- 税理士探しは「相続専門」の実績と相性が重要
- 料金体系の明確さと二次相続のアドバイスもチェック
今日からできるアクションプラン
- まずは財産の「棚卸し」をしてみる
(預貯金、不動産、有価証券など、何がどれくらいあるかざっくり書き出しましょう) - 相続税専門の税理士を2~3事務所ピックアップする
(「地名+相続税 税理士」で検索し、実績や料金表をチェック!) - 「初回無料相談」を予約してみる
(棚卸ししたメモを持って、まずは話を聞いてもらいましょう!)
不安がっているだけでは何も始まりません!まずは小さな一歩を踏み出してみましょうね!
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堀川 八重(ほりかわ やえ)
大阪不動産・FPサービス株式会社 代表
15年以上にわたり1,500組を超えるご家族の相続や不動産のお悩みに、専門家として寄り添ってまいりました。私の信条は、法律や数字の話をする前に、まずお客様ご家族の歴史や言葉にならない想いを丁寧に「聞く」こと。信頼できる各分野の専門家チームと共に、皆様が心から安心できる最善の道筋をオーダーメイドでご提案します。一人で悩まず、どうぞお気軽にご相談ください。
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