認知症わかりやすい時計を比較！選ぶ前に知っておくこと

高齢の親が「朝なの？夜なの？」と何度も聞いてくるようになって、戸惑ったことはありませんか？

認知症になると、時計が読めない、午前と午後の区別がつかない、といった症状が出やすくなります。

私も、母の介護中に「認知症わかりやすい時計ってどれ？」と何度も調べました。

認知症わかりやすい時計には、カレンダー表示や朝と夜が色でわかるものなど、便利な機能があるんです。

デジタルとアナログ、どちらが合うのか、認知症の方の状態によって変わるポイントもあります。

このページでは、認知症用時計の選び方や、日付がわからないときの対策、体調に合った活用法まで、やさしく解説していきますね。

認知症わかりやすい時計の選び方と基本

朝と夜がわかる時計 認知症に有効な理由

認知症の方にとって、朝と夜の区別がつかなくなることは、思っている以上に生活へ影響を与えます。

たとえば「夜中の2時に、もう朝ごはんの時間だと思って起きてきてしまう」なんてこともあるんです。

実際、私の祖母もそうでした。

早朝にパジャマのまま玄関に立っていたことがあり、家族はびっくり。

本人にとっても家族にとっても、不安で心配な時間が続いてしまいます。

　

そんなときに役立つのが、朝と夜がひと目でわかる時計なんです。

これは、ただの時計ではなく、太陽や月のマークがついていたり、背景の色が変わることで「今が朝か夜か」を視覚的に伝えてくれる機能がついています。

　

たとえばこんな感じの違いがあります。

機能	一般的な時計	朝夜がわかる時計
表示	針や数字のみ	太陽・月のアイコン付き
色	常に同じ	朝は明るく夜は暗い色調
音	時報のみ	朝・夜の音声案内あり（※一部機種）

　

認知症になると、時間を数字で見てもそれが「朝の6時」なのか「夜の6時」なのかがわからなくなることがあります。

この感覚のズレが、生活リズムの乱れや睡眠障害、介護者のストレスにつながってしまうんですね。

でも、「朝の太陽マークが出ているから、起きていいんだ」とか「まだ月マークがついてるから、寝てていいのね」と思えるだけで、心が落ち着くんです。

　

たとえるなら、子どもが保育園の先生の笛の合図で動くように、認知症の方も“視覚のサイン”で動きやすくなるイメージです。

文字や説明では理解しにくくても、視覚で伝えればスムーズに動いてくれることも多いです。

また、夜間に起きてしまう頻度が減ることで、介護者の睡眠の質も上がるのは大きなメリット。

　

さらに、カレンダー機能と連動したタイプもおすすめです。

たとえば、「○月○日　水曜日　午前9:00　朝です」と画面に出るようなものは、予定や生活リズムを意識するサポートにもなります。

　

このように、ただの時計では難しい「時間と生活のつながり」をやさしくサポートしてくれるのが、朝と夜がわかる時計の強みです。

では、なぜ認知症になるとそもそも午前と午後の区別が難しくなってしまうのか、次の見出しで詳しく解説していきますね。

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認知症 時計 午前 午後の区別が難しい原因

「午前と午後って、そんなに難しいこと？」と思われるかもしれません。

でも、認知症の方にとっては、時間という抽象的な概念が理解しにくくなってしまうことがあるんです。

特に短期記憶の低下が進むと、「さっき朝ごはんを食べたのに、もうお昼ごはんの時間かも」と感じてしまうことがあります。

　

たとえば、小さなお子さんが「今日は日曜日？」と何度も聞いてくるのと少し似ているかもしれません。

時間の経過を自分の中で追いづらくなるというのが、大きな特徴です。

　

以下の表で整理してみましょう。

症状	起きやすい状況	誤認の例
記憶障害	食事や予定を忘れる	朝食後すぐ「ご飯まだ？」と聞く
時間感覚の低下	午前・午後の違いがわからない	夜に「今日はまだ朝だよね？」と起きる
判断力の低下	時計を見ても理解できない	16時を朝と間違える

　

認知症が進むと、デジタル時計の「16:00」を見ても、それが午後4時という意味に結びつかないこともあります。

その結果、「今って朝かな？夜かな？」と迷ってしまうのです。

また、「午後4時」という情報を正しく読み取っても、「今日は何曜日？予定は？」が分からなくなることも多いです。

　

このような状態で役立つのが、午前・午後をしっかりと表示してくれる時計です。

たとえば、「AM」「PM」の表示がはっきりしているデジタル時計や、「午前／午後」という日本語が入っている表示があると混乱が減ります。

また、日付・曜日・時間をセットで表示する多機能型時計もかなりサポートになります。

　

一方で、アナログ時計は「時間の流れを針で感じられる」という利点はあるのですが、午前・午後の判別には不向きです。

高齢者でも昔からアナログに慣れている方には良い面もありますが、「今が何時か」がわかっても「今が朝なのか夜なのか」が曖昧になることがあります。

　

また、介護現場でもよく見られる工夫としては、

• 「午前中はカレンダーをめくる」
• 「午後には決まったおやつタイムを設ける」

など、時間に結びついた生活リズムを明確にすることが挙げられます。

　

つまり、午前・午後を区別する力を維持するには、「時計」だけでなく、カレンダーや予定表、生活習慣の工夫とセットで考えることが大切なんですね。

　

次の見出しでは、こうした生活に欠かせない「高齢者にとっての時計の選び方」について、もう少し掘り下げてご紹介していきます。

高齢者 時計 認知症に配慮すべきポイント

認知症の高齢者の方が日常生活をスムーズに過ごすためには、「時計選び」がとっても大切なんです。

一見、当たり前のように思える時計の機能も、認知症の進行具合や生活環境によって“わかりにくいもの”になってしまうことがあります。

たとえば、デジタル表示だけでは時間の流れがイメージしづらかったり、針だけのアナログ時計では午前・午後が分からなかったりします。

　

私の祖父も、昔から使っていた柱時計の針を見て「これ夜の6時？朝の6時？」と混乱してしまい、お風呂に入るタイミングがズレてしまったことがよくありました。

こういった日常の“小さなズレ”が、介護の手間やご本人のストレスにもつながってしまうんです。

　

そこで、認知症に配慮した高齢者向けの時計を選ぶポイントを以下にまとめてみました。

配慮すべきポイント	理由	具体的な特徴
大きくてはっきりした文字	視力の衰えに対応	大型液晶、太文字フォント
日付と曜日の表示	時間の見失いを防ぐ	「6月7日（金）」と明記されている
午前・午後の明示	朝晩の混乱を防ぐ	AM／PM表示、音声案内付きも◎
アラーム・予定通知機能	服薬・予定忘れの防止	決まった時間に音や光でお知らせ
電波時計機能	時間合わせの手間がない	自動で正しい時刻に修正される

　

たとえば、カレンダーと時計が一体型になった製品なら、「今日は何日か」「何曜日か」「今何時か」がすべて一目でわかるので、生活の見通しを立てやすくなるんですね。

「今日は○曜日でデイサービスの日」って、カレンダーを見て確認できれば、介護する側の声かけの回数もぐっと減らせます。

　

また、文字だけでなく、アイコンや色で情報を伝えるタイプの時計もおすすめです。

たとえば朝は太陽、夜は月のマークが出たり、色味が変わったりするものもあります。

これはまるで、子どもが赤と青の信号を見て行動を変えるように、「今は動く時間か」「今は休む時間か」が視覚でわかる仕組み。

　

こうした配慮がある時計は、認知症の方の生活リズムを整え、安心感を与えてくれるんです。

そして、介護をするご家族にとっても、大きな助けになりますよね。

では次に、そもそも「時計が読めない」状態のとき、どんな対処ができるのかを見ていきましょう。

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認知症 時計が読めない人への対処法

「時計は見えるのに、読めないみたいで…」というお悩み、実はとっても多いんです。

数字は見えているけれど、それが何を意味しているのかがわからない。

そんなとき、ただ「読める時計」に替えるだけでは解決しないことがあります。

　

認知症の方は、「時間」や「生活の流れ」を頭の中で整理することがむずかしくなるんです。

たとえば「12:30」と書いてあっても、それが「お昼ご飯の時間だ」と理解できないことも。

　

では、どうすればいいのでしょうか？

ここで役立つのが、「時計を読む」ことにこだわらず、時間を“知らせる”仕組みを取り入れることです。

以下に、対処方法をわかりやすくまとめてみました。

対処方法	内容	メリット
音声で時間を伝える時計	1時間ごとに「今は午後3時です」と話す	聴覚での認識をサポート
予定の時間にアラーム	食事や薬の時間に通知音が鳴る	時計を読めなくても生活がまわる
カレンダー表示付きの時計	「6月7日（金）午後2時」と大きく表示	認知と安心の両方に効果的
絵や色で時間帯を表現	朝は黄色、夜は青など視覚的なヒント	時計の意味が直感で伝わる

　

ある利用者さんの例ですが、「時計は見てるけど意味がわからない」と話していた方に、朝夕で背景色が切り替わる時計を使っていただいたら、「この色のときは寝てていいのね」と、徐々に行動が安定してきたことがありました。

これは、文字よりも感覚に訴える方法が有効な場合があるという一例です。

　

また、予定がわからなくなって混乱する方には、「予定を声で知らせてくれる電波時計」や「曜日ごとに予定を書いて貼っておけるカレンダー」もおすすめです。

たとえば「火曜日はデイサービス、金曜日は病院」と貼っておけば、家族の負担も減りますし、ご本人も少しずつ予定の流れを思い出すきっかけになります。

　

「時計が読めない＝もう対応できない」と思ってしまいがちですが、道具や工夫次第で、日常の安心感や自立度はぐんと変わるんですね。

このように、認知症の方にとって“読める時計”より“伝わる時計”が必要なんです。

では次に、認知症の方にとって必要な「カレンダー機能のある時計」についても見ていきましょう。

認知症 カレンダー おすすめの機能と活用法

認知症の方にとって、「今日は何日？」「曜日は何？」というのが、だんだんわかりづらくなってきますよね。

そしてそれが、予定や時間の感覚のズレを生んでしまい、生活のリズムが崩れたり、介護される側・する側の両方にとってストレスになってしまうことも。

そんなときに役立つのが、カレンダー機能付きの時計です。

　

たとえば、「6月7日（金）午前10時　晴れ　今日はデイサービスの日です」といったように、日付・曜日・時間・予定などが1つの画面にまとめて表示されると、とてもわかりやすくなります。

実際、私の祖母もカレンダーつきの電波時計を使い始めてから、「今日は木曜だからリハビリがあるね」と、自分で予定を確認できるようになったんです。

　

認知症の方のカレンダー利用には、ただ“日付を確認する”以上の意味があります。

それは、「自分で今日を認識して、行動につなげる」ための手助けになるということなんですね。

では、どんなカレンダー機能があると便利なのでしょうか？

以下にわかりやすく表でまとめてみました。

機能名	おすすめ理由	活用イメージ
日付・曜日・時間の常時表示	「今がいつか」を確認しやすい	認知の安定、生活のリズムづくり
予定表示（書き込み/音声案内）	外出・通院・服薬の確認に便利	デイサービスや病院の予定確認
天気・気温表示	季節感・服装選びに役立つ	「今日は暑いから薄着にしよう」など
画面の色変更（朝昼夜）	視覚で時間帯を伝える	夜間の徘徊防止、就寝リズム安定
リマインダー機能（アラーム）	時間に合わせて予定を促す	「午後3時におやつ」「夕方に薬」など

　

とくにおすすめなのは、「予定が音声で案内される機能」があるタイプです。

たとえば、「午前9時になりました。今日は病院の予約があります」といったアナウンスが自動で流れることで、時計を読めなくても“行動のきっかけ”が得られるんです。

これは、ちょうど保育園の「お昼ごはんの歌」が流れて、みんなが自然と席に着くのと同じようなイメージですね。

　

また、家族や介護スタッフが書き込みできる“ホワイトボード式のカレンダー”も根強い人気があります。

これはデジタルとは違い、予定を大きく手書きすることで視認性が高まり、本人も家族も一緒に確認しやすいというメリットがあります。

　

たとえばこんな感じで使っているご家庭もあります。

• 月曜：リハビリ 14時〜
• 火曜：デイサービス（朝8:30送迎）
• 水曜：病院（皮膚科）10時〜

これを目立つところに貼っておくだけでも、生活の見通しがしっかりできて、介護の声かけも減らせるんです。

　

さらに、最近はカレンダー機能がついた電波時計も増えてきています。

電波時計なら時間がズレる心配もなく、日付も自動更新されるので、ご家族の負担もぐっと軽くなります。

　

このように、認知症の方には、カレンダーと時計を組み合わせて「一日を見える化する」工夫がとっても有効なんですね。

この“見える化”ができることで、次に必要なのは「時計の種類選び」です。次の見出しでは、デジタルとアナログ、どちらが向いているのかを比較しながらお伝えしますね。

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認知症わかりやすい時計の種類と比較

認知症 時計 デジタル アナログの違い

「認知症の方に合うのは、デジタル時計？それともアナログ時計？」って、意外と悩むところですよね。

時計って毎日見るものだから、その人の理解しやすさや生活リズムに合っているかどうかがとても重要なんです。

とくに認知症が進んでくると、「時間が読める」ことよりも、「時間をどう感じるか・理解できるか」がカギになってきます。

　

たとえば、昔からアナログ時計で育ってきた高齢者の方は、針を見るほうが安心感があったりします。

でも、認知症が進行すると「長針・短針・秒針がバラバラに見えてしまって混乱する」ことも多いんです。

　

そこで、わかりやすく表で「デジタル」と「アナログ」の違いを整理してみました。

項目	デジタル時計	アナログ時計
時間の表示	数字で明確（例：14:30）	針の位置で読む（例：短針と長針）
認識のしやすさ	理解しやすい（数字）	針の動きで時間の流れがわかる
午前・午後の表記	AM/PMや24時間表記が可能	表記なし（見た目では区別しにくい）
日付・カレンダー機能	搭載されている製品が多い	基本的に無し
時計の読み方	数字の意味が理解できればOK	認知機能が必要（判断力が必要）
おすすめ対象	中等度〜進行期の認知症の方	初期の認知症やアナログに慣れた方

　

私の祖父は、昔ながらのアナログ時計をずっと使っていたので、最初はデジタルに違和感を持っていました。

でも、数字が大きく表示されていて、日付や曜日がはっきり書かれているカレンダー付きのデジタル時計に切り替えたことで、「今、何曜日？」と何度も聞いていたのがピタッとおさまりました。

　

また、介護の現場では、夜間の徘徊や昼夜逆転を防ぐために、デジタル時計の“AM・PM表示”があるタイプがよく使われています。

たとえば「14:00（午後2時）」と「2:00（深夜2時）」の違いが一目でわかることで、夜中に活動しようとするのを防ぐこともできるんです。

　

一方、アナログ時計にもメリットがあります。

特に、「時間の流れを感じる」「長針が12を越えたら1時間がたった」など、感覚的に時間をつかむという点ではとても優れているんです。

　

子どもで例えるなら、「秒数を数えるより、砂時計の砂が落ちるのを見たほうが“待つ”感覚がつかみやすい」のと似ています。

アナログの針が動くことで、「そろそろ夕方だな」という感覚が生まれるんですね。

　

つまり、どちらが絶対に良いというわけではなく、その方の認知症の進行具合や、今までの生活習慣に合わせて選ぶことがとっても大事なんです。

次は、そんな認知症の方にとって本当に「使いやすい」と感じられる時計に必要な機能を、4つに絞ってご紹介していきますね。

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認知症用時計に必要な4つの機能

認知症の方にぴったりの時計を選ぶとき、ただ「見やすい」「使いやすい」だけじゃなくて、生活全体を支えてくれる機能があるかどうかがとっても重要なんです。

なぜなら、認知症になると“時間そのもの”がわからなくなるだけでなく、予定や日付、生活のリズムまでも崩れてしまいやすいからです。

　

たとえば、私の祖母は「今日は病院の日だったのに、夕方までずっとパジャマのままだった…」ということがありました。

家族が忙しくて声をかけられないときでも、時計が「今が何の時間か」を伝えてくれたら助かりますよね。

　

そこで、認知症用の時計に絶対ほしい機能を、4つに厳選してご紹介します。

機能名	内容	なぜ必要？
① 日付・曜日・時間の表示	「6月7日（金）14:00」など常時表示	時間の把握と安心感につながる
② 午前・午後の区別表示	AM／PM表示、色や背景の変化など	朝と夜の混乱防止・生活リズムの安定
③ アラーム・リマインダー	食事・薬・通院などの予定をお知らせ	予定の忘れを防ぎ、行動のサポートに
④ カレンダー機能	予定や日付を視覚で確認できる	「今日は何をする日？」がひと目でわかる

　

特に③の「アラーム・リマインダー」機能は、介護者にとっても大助かりです。

たとえば、デイサービスの迎えの時間が近づいたら「そろそろ準備をしてください」とアラームが鳴る。

これだけでも、“行動を始めるタイミング”がわかりやすくなるんですね。

　

④の「カレンダー機能」も、すごく大切。

「今日は何曜日か」「病院は何日だったか」といった予定の把握ができれば、生活の流れが自分でつかめるようになります。

これは、例えるなら「学校の時間割表」みたいなもので、それがあると“次に何をするか”が自然と頭に入りやすいんです。

　

また、①と②の機能が揃っていると、「今日は金曜日、午後2時なんだ」と一目で理解できるようになるので、認知症の方自身が“自分で行動するきっかけ”を得られるようになります。

　

このように、認知症の方にとって必要な4つの機能がそろっている時計を選ぶことで、ただの時刻確認を超えた“生活支援ツール”として使えるようになるんです。

では次に、「時計を書く」という行動が、どんなふうに認知症の方に影響を与えるのか、少しユニークな視点から見ていきましょう。

認知症 時計を書く習慣は役立つのか

「時計を書く」という習慣、実は認知症のリハビリや症状のチェックとして、とても注目されている方法なんです。

ちょっと不思議に思われるかもしれませんが、これはただのお絵かきではなくて、脳の働きを見る“窓”のようなものなんですね。

　

たとえば、介護施設や病院で「時計を描いてみてください」とお願いされることがあるんです。

円を書いて、その中に1から12の数字を配置して、指定された時間（たとえば“11時10分”など）を針で描く。

このいわゆる“時計描写テスト”は、認知症の有無や進行具合を判断するツールとして使われています。

　

私の祖母も、もの忘れ外来を受診したときにこのテストをしていました。

最初はきれいに時計を描けていたのですが、少しずつ数字の配置が偏ったり、針の向きがわかりにくくなってきたんです。

それを見て、家族も「そういえば、最近“ごはんの時間”がわからないって言ってたな」と気づくきっかけになりました。

　

この「時計を書く習慣」がなぜ役立つのか、以下のような理由があります。

役立つポイント	内容
1. 脳の状態を把握できる	時間・空間・記憶のバランスが見える
2. 認知機能の維持に効果がある	脳全体を使うことで刺激になる
3. 家族や介護者の気づきに繋がる	小さな変化を早めに察知できる
4. 本人の“できること”を確認できる	自信の回復やモチベーション維持にも

　

たとえば、「数字は正しく書けてるけど針が書けない」という場合は、視覚的な認知は保たれているけど“計画的な作業”が難しくなってきているサインだったりします。

逆に、「まったく描けない」「数字が一方向に集中している」といった場合は、空間認識の低下や記憶障害の進行を示すことも。

　

なので、もしご自宅で行う場合には、「何時の時計を描いてみようか？」と声をかけながら、定期的に書いてもらうことで変化を見守るという使い方もおすすめです。

ポイントは「うまく描けなくても責めないこと」。

絵日記のような感覚で、「今日はこの時間におやつ食べたね」とか、生活の一部として自然に取り入れるのが長続きのコツなんです。

　

このように、時計を書くという小さな行動が、日々の認知状態を知るきっかけや、生活のリズムを取り戻す手がかりになってくれるんです。

さて、ここで次に気になるのが「10時10分」という特別な時間の意味。実は、これにも“深いワケ”があるんですよ。

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認知症の時計の10時10分とは？意味と注意点

「時計の針が“10時10分”になっている時計をよく見かけるけど、なんでいつもその時間なの？」と思ったこと、ありませんか？

実はこれ、認知症に限らず時計の広告や教科書などでもよく使われる“定番の時刻”なんです。

　

でも、認知症の方にとってこの“10時10分”の針の形には、ちょっとした注意点もあるんです。

まず、10時10分に設定された時計のメリットから見てみましょう。

10時10分のメリット	内容
見た目がきれい・バランスが良い	針が左右対称で読みやすい
メーカーのロゴが隠れない	6時・12時付近にロゴを入れられる
笑顔に見えるデザイン	針の角度が“笑った口”のようで好印象

　

たとえば、子どものおもちゃ時計や、デジタルの見本写真でもこの10時10分の針が多く使われているのは、その視覚的な美しさと心理的な安心感を重視しているからなんですね。

　

でも、認知症の方にこの時間を使うときには、ちょっと注意が必要です。

なぜなら、「10時10分」の針は、長針が2、短針が10にあり、角度が似ていて混乱しやすいことがあるからです。

特に認知機能が低下している方にとっては、「どっちの針がどっち？」と迷ってしまい、「読めているつもりで実は読み違えている」こともあるんです。

　

たとえば、「10時10分」を「2時50分」と勘違いしてしまう。

それってちょうど、左右反対のようにも見えてしまうからなんですね。

このように、視覚的な誤認が起きやすい時間設定なので、時計テストで“針を書かせる時間”としては、あまりおすすめされないこともあります。

　

では、どんな時間のほうがいいのでしょうか？

医療や介護の現場では、「11時10分」や「8時20分」など、針の角度に明確な違いがある時間がよく使われます。

よく使われる時間	読み間違いにくさ	おすすめ度
11時10分	長短針の角度が明確	◎
8時20分	左右非対称で混同しづらい	◎
3時00分	短針のみの識別が必要	△（認知レベルにより）
10時10分	認識しづらい可能性あり	△

　

また、10時10分が「正しい時間」と思い込んでしまい、時計の針が動いていても変化に気づかないというケースもあります。

だから、特に生活の中で使う時計や、リハビリの一環で使うときは、別の時間に設定するほうが無難なんです。

　

もちろん、インテリアとしての「10時10分」は見た目が良く、癒される部分もあるので、飾り用の時計には向いています。

でも、“伝える時計”や“確認する時計”として使うなら、もっとわかりやすい時間設定のほうが安心ですね。

では次に、「日付がわからないとき」の対策について、具体的な方法をみていきましょう。

認知症で日付がわからない時の対策は？

「今日って何日だっけ？」と毎日のように聞かれると、最初は軽く答えていたのに、だんだん不安になってきますよね。

実はこの「日付がわからない」というのは、認知症の初期から中期にかけてよく見られる症状のひとつなんです。

　

日付の感覚がズレてくると、予定が守れない、食事の時間が狂う、生活リズムが崩れるなど、家族の介護の負担も増えてしまいます。

でもご安心ください。

日付がわからなくなるのは「わざと忘れている」わけではなく、脳の情報整理がうまくいかなくなっているサインなんです。

　

たとえば、うちの祖母は「毎週水曜に病院がある」ことは覚えていても、「今日は何曜日？」がわからなくなってしまうんです。

そこで、家のカレンダーを大きなものに変えたり、日付・曜日・時間がすべて表示される電波時計を使ったりしてみました。

　

では、具体的にどんな対策があるのかを表にまとめてみますね。

対策方法	内容	ポイント
大きな文字のカレンダーを使う	1日ごとに予定を書き込む	声かけと併用で定着しやすい
デジタル時計で日付表示する	年・月・日・曜日を表示	見るたびに“今日”がわかる安心感
リマインダー機能付き時計	アラームで予定を知らせる	「今日は病院」など行動のきっかけに
日めくりカレンダー	めくる動作で記憶が刺激される	視覚・動作の両面でサポート
予定表を目に見える場所に貼る	冷蔵庫やトイレの壁など	家族全員で共有できる安心感

　

特におすすめなのは、「予定を書き込める大きなカレンダー」＋「デジタルの電波時計」の組み合わせです。

たとえば「6月7日 金曜日 午後2時」と表示される時計があると、「今がいつか」「これから何するか」がひと目でわかります。

　

さらに、日付をわかりやすく伝えるために、色やイラストでカレンダーをデコるのも効果的。

たとえば「赤いシール＝病院」「星のシール＝お出かけ」といったように、視覚で予定を記憶に結びつけてあげる工夫もおすすめです。

　

こんなふうに、“見る・聞く・触る”を通して、毎日“今日”を確認できる環境をつくることが、認知症の方にとって大きな安心につながっていきます。

では、そんな日々の生活の中で、「午前と午後」ではどちらの時間帯が過ごしやすいのか、次の見出しで一緒に見ていきましょうね。

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認知症の人は午前と午後どちらが体調が良いですか？

「朝のほうが元気だけど、夕方になるとぼんやりしてくる気がする…」

そんな変化に気づいたこと、ありませんか？

実は、認知症の方の多くは、午前中のほうが体調や認知機能が安定しているといわれています。

　

これは医学的にも「サンウンダウン症候群（夕暮れ症候群）」と呼ばれていて、午後から夕方にかけて認知症の症状が悪化しやすくなる傾向があるんです。

　

たとえば、うちの祖母は朝のうちは会話もしっかりしていたのに、夕方になると「今日は何曜日？」と同じことを何度も聞くようになりました。

そして暗くなると、不安そうな顔で「ここはどこ？」と聞いてくることもあったんです。

　

これって、生活のリズムや光の影響、疲労などが重なって、脳がうまく情報を処理できなくなるから起こるものなんですね。

以下の表に、時間帯ごとの傾向をまとめてみました。

時間帯	体調・認知機能の傾向	おすすめの活動
午前（6時〜11時）	頭がすっきりしやすい、安定している	診察・買い物・予定の説明など
昼（12時〜14時）	少し眠気が出やすいが安定	食事や軽い運動におすすめ
午後（15時〜18時）	疲れやすく、混乱が起きやすい	静かな時間、刺激を減らす
夜間（18時以降）	不安・徘徊・睡眠障害が出やすい	リラックス・早めの就寝準備を

　

また、光の加減も大きく影響します。

部屋の照明を早めに明るくしてあげたり、昼間に太陽の光を浴びることで、脳の「体内時計」が整いやすくなるんです。

　

お子さんでいうと、保育園のお昼寝の後ってちょっとグズグズしちゃうことありますよね。

認知症の方も、似たように「昼寝の後」や「夕方」は不安定になりがち。

だからこそ、活動のピークを“午前中”に合わせてあげるだけでも、生活全体がうんと楽になることがあるんです。

　

午前中にデイサービスや通院、カレンダーでの予定確認を終わらせるようにすると、午後からはのんびり、リラックスした時間が過ごせるようになります。

それでは次に、「なぜそもそも、認知症になると時間そのものがわからなくなってしまうのか？」その根本について、詳しくお話していきますね。

認知症になると時間がわからないのはなぜですか？

「さっきごはん食べたっけ？」
「朝なの？夜なの？」

こんな言葉を繰り返すおばあちゃんを見て、「何度も言わないといけないのはつらいな」と思いつつ、どこかモヤモヤした気持ちになってしまうこと、ありませんか？

でも実はこれ、“時間の感覚”がうまくつかめなくなっているサインかもしれません。

　

認知症になると、「今がいつなのか」がわからなくなることがあります。これは脳の中の“時間の地図”がうまく働かなくなるからなんです。

私たちの脳は、時計を見て「今は朝だから朝ごはんの時間」といったように、時間・生活・行動をつなげて理解しています。

でも認知症になると、この「時間・出来事・予定」を結びつける力がだんだんと弱くなってしまうんです。

　

たとえば、子育てをしていると「朝ごはん→保育園→仕事→夕飯→お風呂→寝る」という毎日の生活の流れで自然と時間の感覚が身についてきますよね。

でもその流れが途切れて、予定も立てず、時計も意識しない生活が続くと、「今日は何曜日？」「さっきのことが思い出せない」となってしまうのは、私たちでも経験があると思います。

それと同じように、認知症の方の脳では、日常のつながりが少しずつバラバラになっていってしまうんです。

　

また、記憶力の低下だけでなく、「時計の読み方」がわからなくなることも影響しています。

とくにアナログ時計の長針・短針を読み取って時間を理解することは、実はとても高度な認知機能なんです。

脳の働きと時間の理解の関係	内容
記憶力の低下	時間の流れを思い出すのが難しい
視覚認知の低下	針の位置や数字を読み取りづらくなる
実行機能の低下	時間を見て行動につなげるのが難しくなる

　

つまり、「朝なのに夕ごはんの準備をはじめる」「夜なのに出かけようとする」といった行動は、“時間の認識”という土台がぐらついてしまっている状態なんですね。

　

ここでポイントになるのが、視覚的なサポートです。

たとえば、「今は〇曜日の〇時〇分」と一目でわかるデジタル表示の電波時計を使ったり、カレンダーや予定表を視界に入るところに貼ったりすることで、「今ここにいる」という実感を取り戻す助けになります。

そしてこのような対策の中でも、特に便利で効果的なのが「リマインダー機能付きの時計」なんですよ。

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認知症の方におすすめのリマインダー機能付き時計とは？

「お薬の時間だよ」「今日はデイサービスだよ」って、毎回声をかけるのも大変ですよね。

でも、そんなときに頼りになるのが、リマインダー機能付きの時計なんです。

これは、“時間になると音声やアラームでお知らせしてくれる機能”がある時計で、まるで“もう一人の家族”のように、毎日サポートしてくれる存在なんですよ。

　

うちの祖母の場合、「お薬の時間を忘れる」と困っていたんですが、この時計を使うようになってからは、「ピピッ」と音が鳴るたびに「あ、薬の時間だね」と笑顔で反応するようになったんです。

その様子に私たち家族もホッとしたのを覚えています。

　

では、具体的にどんな機能があると便利なのかを表にまとめてみますね。

機能	内容	おすすめポイント
音声・アラーム通知	時間になると「朝ごはんの時間です」とお知らせ	音で意識を向けやすい
予定の繰り返し設定	毎日決まった時間に通知できる	介護の負担を減らせる
日付・曜日・時間の表示	大きくはっきりと見えるデジタル画面	一目で“今”がわかる安心感
バックライト機能	暗い場所でも見やすい	夜間でも安心して確認できる
電波時計の正確性	自動で時刻修正してくれる	調整いらずで手間がかからない

　

特に“音声で伝えるタイプ”は、高齢者にとってとってもわかりやすいんです。

「お薬を飲んでください」と優しい声で教えてくれるだけでも、生活リズムを守るきっかけになりますし、介護をする人の負担も大きく減るんですよ。

　

例えるなら、毎日忘れずに教えてくれる“介護の補助スタッフ”がひとつ増えるような感覚です。

毎回同じことを伝えるのは、家族にとってもストレスがかかりますし、「言っても忘れちゃうし…」と諦めたくなる気持ちも出てきちゃいます。

でも機械に任せる部分は任せることで、家族の関係をやさしく保つこともできるんです。

　

さらに最近では、予定をカレンダー表示で知らせてくれるデジタル時計も登場しています。

「今日はデイサービス」「明日は通院」と、画面に表示されるだけで「今日何するんだっけ？」の不安が軽くなるんです。

　

このように、リマインダー機能付き時計は、高齢者の生活の安心感を支える“見えない手”のような存在なんですね。

では最後に、今回の内容をしっかり振り返る「まとめパート」に入っていきましょう。

認知症わかりやすい時計の選び方と活用ポイントまとめ

• 朝と夜が区別できる表示は混乱を防ぐ手助けになる
• 午前・午後の区別がつきにくい人には明確な時間表記が必要
• 高齢者には数字が大きく見やすい時計が適している
• アナログよりデジタル時計の方が認識しやすい傾向がある
• カレンダー機能付き時計で予定の可視化ができる
• 音声で知らせるリマインダー機能があると安心感につながる
• 電波時計は自動で時刻調整されるため手間がかからない
• 時計に日付・曜日表示があると記憶の補助になる
• 予定を書き込める日めくりカレンダーは記憶刺激に効果的
• 認知症の方は午前中の方が認知機能が安定しやすい
• 生活リズムを整えるには時計の活用が不可欠
• 時計が読めない人には時間帯ごとの色分け表示が有効
• 曜日や時間に応じて予定を知らせる機能が役立つ
• 時計を見る習慣づけが認知症予防にもつながる可能性がある
• 視覚・聴覚の両方で情報を伝える時計がより効果的である

参考
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