こんにちは!可愛い孫や子どものためなら、ついついお財布の紐が緩んでしまう、なんてことありますよね。特に「教育資金の足しに」とまとまったお金を渡したいとき、気になるのが贈与税。
そこで便利なのが「教育資金贈与の非課税制度」ですが、いざ教育資金贈与のやり方を調べてみると、色々な疑問が出てきませんか?「教育資金贈与の手続きは面倒そう…」「教育資金贈与は、ゆうちょ銀行でもできるの?」「教育資金贈与はいつまで?」など、気になることがたくさん。
それに、教育資金の都度贈与のやり方やその証明方法との違いも知りたいですよね。金融機関一覧を見てもどこがいいか迷いますし、万が一贈与者が死亡した場合や、30歳になったらどうなるのか、教育資金贈与で使い切れない分は?領収書なしの場合は?なんて心配事も。
そもそも、教育資金の贈与で確定申告が必要ですか?という根本的な疑問や、手渡しの贈与税はなぜバレるのでしょうか?といった素朴なギモンまで、この記事でスッキリ解決していきましょう!
この記事のポイント
- 教育資金贈与(非課税制度)の基本的なやり方と流れ
- 手続きに必要な書類と金融機関の選び方
- 贈与者が死亡した場合など、よくある疑問と対処法
- 都度贈与との違いと、どちらを選ぶべきかの判断基準

こんにちは、専門家のやえです。教育資金贈与は、お孫さんやお子さんへの想いを形にできる素晴らしい制度ですが、やり方を間違えると、かえって税金の負担が増えることも。大切なのは、ご自身の家庭状況に合わせて「本当にこの制度が最適か?」を見極めることです。この記事では、専門家の視点から、後悔しないための具体的なポイントを分かりやすくお伝えしますね。
目次
教育資金贈与やり方の基本と手続きの流れ

教育資金贈与はいつまで利用できる制度か
まず最初に押さえておきたいのが、この非課税制度の利用期間です。とってもお得な制度ですが、実は期間限定なんです。
現在の制度では、2026年(令和8年)3月31日までに金融機関との契約を済ませ、教育資金を預け入れる必要があります。この制度は過去にも延長されてきましたが、今後のことは分かりませんので、利用を検討している方は早めに計画を立てるのがおすすめです。
「まだ孫は小さいから…」と思っていても、時間はあっという間に過ぎてしまいます。大学入学時など、まとまった資金が必要になる時期から逆算して、余裕を持って準備を始められると安心ですね。
ポイント
この期限は、あくまで「新たに非課税の適用を受けるための契約を結ぶ期限」です。一度契約してしまえば、受贈者(お子さんやお孫さん)が30歳になるまで、預け入れた資金を非課税で引き出すことができます。
制度の詳しい情報については、国税庁のウェブサイトでも確認できますので、最新の情報をチェックする習慣をつけておくと良いでしょう。(参考:国税庁 No.4510 直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税)
教育資金贈与の金融機関一覧と選び方

「じゃあ、どこで手続きすればいいの?」と思いますよね。この制度は、信託銀行や銀行、信用金庫など、さまざまな金融機関で取り扱っています。
ただ、全ての金融機関で対応しているわけではなく、サービス内容や手数料も異なります。そのため、金融機関選びは意外と重要なポイントになります。
金融機関を選ぶ際のチェックポイント
金融機関を選ぶ際は、以下の点を比較検討してみることをおすすめします。
チェック項目 | 見るべきポイント |
---|---|
口座管理手数料 | 契約時に一時的にかかる場合や、無料の場合など様々です。 |
払い出しのしやすさ | 窓口だけでなく、郵送やインターネットで領収書を提出できるかなど、手続きの利便性を確認しましょう。 |
相談体制 | 普段から付き合いのある金融機関だと、気軽に相談しやすいかもしれません。担当者の知識や対応も重要です。 |
最低預入金額 | 金融機関によっては最低金額が設定されている場合があります。 |
まずは、普段利用している銀行や、お近くの信託銀行などに問い合わせて、詳しい資料を取り寄せてみるのが第一歩です。インターネットで「教育資金贈与信託 金融機関」などと検索すると、各社のサービスを比較できますよ。
教育資金贈与の手続きは面倒なものか
「手続きが面倒なんでしょう?」という声、よく耳にします。確かに、ポンっと手渡しするのに比べれば、いくつかのステップを踏む必要があります。ですが、贈与税が非課税になるメリットを考えれば、乗り越えられない壁ではありませんよ。
大まかな流れは以下の通りです。
- 贈与する人(祖父母など)と、もらう人(孫など)で贈与の契約を結ぶ。
- もらう人が金融機関で専用の「教育資金口座」を開設する。
- 贈与する人がその口座にお金を一括で振り込む。
- 金融機関が税務署に「教育資金非課税申告書」を提出する。
- もらう人は、教育費を支払った後、領収書を金融機関に提出して口座からお金を引き出す。
特に重要なのが、口座開設時に必要となる書類です。
主な必要書類の例
- 贈与契約書
- 受贈者(もらう人)の戸籍謄本やマイナンバー関連書類
- 贈与者(あげる人)と受贈者の関係を示す戸籍謄本など
※金融機関によって異なりますので、必ず事前に確認してください。
最初は少し大変に感じるかもしれませんが、一度口座を作ってしまえば、あとは領収書を提出する作業が中心になります。最近は郵送やオンラインで手続きできる金融機関も増えているので、以前よりは負担が軽くなっています。
都度贈与のやり方と証明は必要ですか?

「一括で1,500万円も贈与するのはちょっと…」「必要な時に必要な分だけ渡したい」という方もいらっしゃいますよね。実は、この非課税制度を使わなくても、教育のために必要なお金をその都度渡す「都度贈与」は、原則として贈与税がかかりません。
都度贈与とは?
例えば、お孫さんの大学の入学金として200万円が必要になったとき、祖父母が直接大学に振り込んだり、親に渡してすぐに支払われたりする場合です。これは「扶養義務者からの生活費や教育費の贈与」とみなされ、贈与税の対象外となることが多いのです。
都度贈与の注意点と証明
ただし、注意点が2つあります。
- 本当に教育費として使われたか
渡したお金が預金されたままだったり、教育以外の目的(車や贅沢品の購入など)に使われたりすると、贈与税の対象とみなされる可能性があります。 - 証明の必要性
税務署から問い合わせがあった際に、「確かに教育費として使いました」と証明できることが重要です。そのため、大学の請求書や支払った際の振込明細などを保管しておくことが賢明です。明確な「証明書類」の提出義務はありませんが、証拠は残しておくに越したことはありません。
都度贈与と一括贈与(非課税制度)の違い
一番の違いは、「将来の分までまとめて非課税で渡せるか」という点です。都度贈与はあくまで「今、必要な分」が対象。一方、非課税制度は、まだ使途が決まっていない将来の教育資金まで、まとめて非課税で贈与できるのが最大のメリットです。

手続きの煩雑さが気になる方は、まず「いくら贈与したいか」を考えてみてください。例えば300万円程度であれば、都度贈与で対応できるかもしれません。一方で、1,000万円を超えるような多額の贈与を考えている、あるいはご自身の健康に不安があり元気なうちに渡しておきたい、という場合は非課税制度のメリットが大きくなります。目的によって最適なやり方は変わるんですよ。
失敗しない教育資金贈与やり方のQ&A

教育資金贈与で領収書なしの対処法
この制度を利用する上で、領収書は心臓部と言えるほど重要です。なぜなら、金融機関は提出された領収書に基づいて、その支払いが教育目的であることを確認し、口座からのお金の引き出しを許可するからです。
では、もし領収書がなかったらどうなるのでしょうか。
原則、領収書なしでは引き出せません
残念ながら、原則として領収書やそれに代わる支払いを証明する書類(レシート、請求書と振込明細のセットなど)がないと、教育資金口座からお金を引き出すことはできません。もし誤って捨ててしまったり、紛失したりした場合は、支払い先に再発行を依頼する必要があります。再発行が難しい場合は、その分の支払いは口座から補填できない可能性が高いと心得ておきましょう。
領収書で注意すべき点
- 宛名:受贈者(お子さん・お孫さん)本人の氏名が記載されていること。
- 支払日:教育資金口座から引き出す日、またはその前後であること。
- 金額:支払った金額が明確に記載されていること。
- 但し書き:「授業料として」「教材費として」など、内容が具体的に書かれていること。
支払いの際には、必ず領収書をもらい、大切に保管する習慣をつけましょう。月謝袋のようなもので領収書の代わりとする場合は、金融機関が認めるか事前に確認するとより安心です。
教育資金贈与中に贈与者が死亡した場合

とても考えたくないことですが、万が一、教育資金を使い切る前に贈与者(祖父母など)が亡くなってしまった場合、口座に残っているお金(管理残額)はどうなるのでしょうか。
これは制度が改正されてきた部分で、少し注意が必要です。
結論から言うと、残っている金額は、原則として相続税の課税対象になる可能性があります。
以前は課税されないケースも多かったのですが、税制改正によりルールが厳しくなりました。特に、贈与者の相続財産が5億円を超える場合などは、残額が相続税の対象となる可能性が高くなります。ただし、受贈者が23歳未満である場合や学校に在学している場合などは、課税されない例外もあります。
この部分は非常に専門的で、贈与した時期によっても扱いが変わる複雑なルールになっています。もしもの時に備え、制度を利用する際には、相続に詳しい税理士などの専門家に相談し、リスクを理解しておくことが非常に重要です。
30歳で使い切れない場合の贈与税
この制度のゴールは、受贈者(お子さん・お孫さん)が30歳になる誕生日です。その日を迎えると、教育資金管理の契約は終了となります。
その時に、もし口座にお金が残っていたらどうなるのでしょうか?
答えは、「残った金額は、その年の贈与税の対象」となります。
例えば、30歳になった時点で300万円が残っていた場合、その300万円はその年に贈与があったものとして扱われ、基礎控除(年間110万円)を超えた部分に対して贈与税がかかります。せっかく非課税で贈与したのに、最後に課税されてしまっては残念ですよね。
使い切れる金額を見極めるのが大事!
この制度の最大のコツは、「非課税限度額の1,500万円にこだわらず、30歳までに現実的に使い切れる金額を贈与すること」です。お子さんやお孫さんの進路をよく話し合い、必要な教育資金をシミュレーションした上で、贈与額を決めることが後悔しないためのポイントになります。
なお、30歳になった時点で学校に在学している場合などは、契約を40歳まで延長できる特例もありますので、該当しそうな場合は金融機関に相談してみてください。
教育資金贈与のやり方についてよくあるご質問FAQ

-
一度契約した後、追加で資金を贈与することはできますか?
-
はい、できます。最初の契約時に1,500万円を使い切っていなくても、後から非課税枠の範囲内(合計1,500万円まで)で追加の資金を同じ口座に預け入れることが可能です。その都度、金融機関で手続きが必要になります。
-
海外の学校への留学費用にも使えますか?
-
はい、使えます。海外の学校への授業料や寮費なども、教育資金として認められています。ただし、渡航費や現地での生活費などは対象外となることが多いです。対象範囲の詳細は、文部科学省のウェブサイトで確認するか、金融機関にお問い合わせください。(参考:文部科学省 教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置)
-
途中で契約を解約することはできますか?
-
原則として、贈与者の都合で契約を解約し、資金を戻すことはできません。口座の利用を終了できるのは、受贈者が30歳になった時や死亡した時、または口座残高がゼロになった時などに限られます。一度贈与したら、その資金はお子さん・お孫さんのものになると考えましょう。
-
贈与されたお金でパソコンを買うことはできますか?
-
学校の授業で必要であると学校側が書面などで証明・依頼している場合に限り、対象となる可能性があります。単に個人的に必要だという理由だけでは、教育資金として認められない場合が多いです。判断に迷う場合は、支払う前に金融機関に確認することをおすすめします。
教育資金の贈与で確定申告は必要ですか
税金の話になると「確定申告」という言葉が頭をよぎりますよね。ご安心ください。
この非課税制度のやり方に沿って正しく手続きを行った場合、贈与を受けたお子さんやお孫さん自身が、この贈与について確定申告をする必要は基本的にありません。
なぜなら、税務署への手続きは、お金を管理している金融機関が行ってくれるからです。口座開設時に提出する「教育資金非課税申告書」が、確定申告の代わりのような役割を果たしてくれます。
確定申告が必要になる例外的なケース
ただし、以下のような場合には確定申告が必要になることがあります。
- 30歳になった時点で資金を使い切れず、残額に贈与税がかかる場合。
- この教育資金贈与とは別に、他の人から年間110万円を超える贈与を受けている場合。
基本的には不要ですが、例外もあると覚えておくと良いでしょう。
手渡しの贈与税はなぜバレるのでしょうか

「金融機関を通さず、こっそり手渡しすれば税務署にバレないのでは?」と考える方もいるかもしれません。しかし、その考えは非常にリスクが高いと言えます。
では、なぜバレるのでしょうか?主な理由は以下の通りです。
1.相続が発生した時(相続税調査)
贈与した方が亡くなった際、税務署は相続税の調査を行います。その過程で、亡くなった方の過去10年ほどの預金通帳の動きを徹底的に調べます。不自然に大きな金額の出金があれば、「このお金は誰に渡ったのですか?」と必ず確認されます。ここで正直に答えないと、後で重いペナルティが課される可能性があります。
2.もらった側がお金を使った時
もらったお金で家や車などの大きな買い物をすると、税務署は「この購入資金はどこから出たのですか?」という「お尋ね」を送ってくることがあります。給料などに見合わない大きなお金が動いた場合、税務署はそれを把握できるのです。その時に「親からもらいました」と答えると、贈与の事実が発覚します。
ペナルティは大きい
申告漏れが発覚すると、本来の贈与税に加えて、無申告加算税や延滞税といった追徴課税が課されます。悪質だと判断されると、さらに重い重加算税がかかることも。正しい手続きを踏むことが、結局は一番の節約になるのです。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。教育資金贈与は、ただお金を渡すだけでなく、お子さんやお孫さんの将来を一緒に考える良い機会にもなります。制度のメリット・デメリットをしっかり理解し、ご家族でよく話し合って、最適なやり方を見つけることが大切です。もし判断に迷うことがあれば、一人で悩まず、相続サポートなどの専門家に相談するのも一つの賢い選択ですよ。
最適な教育資金贈与やり方を見つけよう
この記事では、教育資金贈与のやり方について、手続きの基本から注意点まで幅広く解説しました。最後に、大切なポイントをリスト形式でおさらいしましょう。
- 教育資金贈与の非課税制度は2026年3月31日までが期限
- 信託銀行や銀行などの金融機関で専用口座の開設が必要
- ゆうちょ銀行では直接の取り扱いはない可能性がある
- 手続きには贈与契約書や戸籍謄本などが必要になる
- 払い出しには学校などが発行した領収書の提出が必須
- 領収書がない場合は原則としてお金を引き出せない
- 都度贈与は手軽だが将来分の一括贈与はできない
- 贈与者が死亡すると口座残高が相続税の対象になる場合がある
- 30歳時点で使い切れない残額には贈与税がかかる
- 非課税制度を正しく使えば確定申告は基本的に不要
- 手渡しでの贈与は相続税調査などで発覚するリスクが高い
- 贈与額は1,500万円にこだわらず使い切れる現実的な金額に設定する
- 金融機関ごとに手数料やサービスが異なるため比較検討が重要
- 海外の学校でも対象になるが生活費などは範囲外
- 制度利用で迷ったら税理士などの専門家に相談するのがおすすめ

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堀川 八重(ほりかわ やえ)
大阪不動産・FPサービス株式会社 代表
15年以上にわたり1,500組を超えるご家族の相続や不動産のお悩みに、専門家として寄り添ってまいりました。私の信条は、法律や数字の話をする前に、まずお客様ご家族の歴史や言葉にならない想いを丁寧に「聞く」こと。信頼できる各分野の専門家チームと共に、皆様が心から安心できる最善の道筋をオーダーメイドでご提案します。一人で悩まず、どうぞお気軽にご相談ください。
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