生命保険料控除を「年末調整」で済ませるべきか、「確定申告」で申告すべきか悩む方も多いでしょう。
特に、年収や家族構成によって最適な選択は異なります。
また、年末調整と確定申告を両方行う場合や、生命保険料控除を確定申告で申請する方法、書き方や添付書類の必要性も重要です。
本記事では、「生命保険料控除年末調整確定申告どっち?」と迷う方へ向けて、控除の還付額や「確定申告で控除をしないとどうなるか」などのポイントをわかりやすく解説します。
この記事のポイント
- 年末調整と確定申告の違いと選び方を理解できる
- 生命保険料控除の具体的な還付額や効果がわかる
- 年末調整と確定申告を両方行う場合の注意点を知れる
- 確定申告での控除申請方法や添付書類の要不要が理解できる
生命保険料控除年末調整確定申告どっちを選ぶべきか
- 年末調整と確定申告どちらもやるの?
- 生命保険料控除でいくら税金が戻ってくるか?
- 生命保険料控除の年末調整と確定申告の違い
- 確定申告で生命保険料控除をしないとどうなる?
- 生命保険料控除は会社に提出するのですか?
年末調整と確定申告どちらもやるの?
年末調整と確定申告、どちらも行うべきかは多くの人が悩むポイントです。結論から言うと、年末調整だけで完了する場合と確定申告が必要な場合があります。
年末調整は、会社員やパート、アルバイトなどの給与所得者が年末に勤務先で行う手続きです。年末調整では、給与から差し引かれた所得税を再計算し、控除の適用によって払いすぎた税金が戻ってくる仕組みがあります。たとえば、生命保険料控除を利用して支払った保険料分が所得から控除されるため、最終的な税負担を軽減できるのです。
では、年末調整だけで十分なのかという点についてですが、追加で確定申告が必要となるケースもあります。確定申告が必要な具体例を以下に挙げます。
- 年収2,000万円以上の給与所得者
- 給与所得以外に20万円以上の副収入がある場合
- 年末調整の際に生命保険料控除を申告し忘れた場合
- 医療費控除や寄付金控除を受けたい場合
これらに該当しない場合は、年末調整だけで完結し、確定申告は不要です。しかし、該当する場合は、年末調整後に確定申告を行うことで、さらに税金が戻る可能性があります。
たとえば、副収入としてフリーランス業務や副業で20万円以上の収入がある場合、年末調整のみでは申告が完了しないため、確定申告を行って所得をまとめて申告する必要があります。これにより、追加の控除を受けられるほか、税務署に正確な情報が伝わるためトラブル防止にも役立ちます。
一方で、確定申告の際には、生命保険料控除証明書など必要書類が整っているかどうかも確認しましょう。特に年末調整の控除に間に合わなかった場合や控除証明書を紛失した場合には、再発行などの対応が必要です。
つまり、年末調整と確定申告をどちらも行うかは、状況によって異なります。年末調整で完了できる場合には不要ですが、追加の控除や収入がある場合には確定申告を併用することでより大きな税金還付が得られることもあります。
生命保険料控除でいくら税金が戻ってくるか?
生命保険料控除を受けると、所得税や住民税の負担が軽くなり、実際に支払う税金が減る仕組みになっています。結論から言うと、生命保険料控除の利用によって、最大で所得税12万円、住民税7万円の控除が可能です。
では具体的にどのようにして控除額が計算され、いくら税金が戻ってくるのかを見ていきましょう。
まず、生命保険料控除の種類は「一般生命保険料控除」「介護医療保険料控除」「個人年金保険料控除」の3つです。これらの保険料はそれぞれ最大4万円の所得税控除が可能で、合計で最大12万円の所得税控除が受けられます。たとえば、一般の生命保険と医療保険、個人年金保険に加入している場合、支払った保険料に応じて控除額が決まり、年間8万円以上の保険料支払があれば最大限の控除を受けることが可能です。
また、住民税については、生命保険料控除による最大7万円の控除が認められています。これにより、最終的な税負担が減るため、家計にも優しい仕組みです。住民税の控除額は、年末調整や確定申告の手続きで、年末調整書類や確定申告書に生命保険料控除証明書を添付し、実際に支払った金額を申告するだけで適用されます。
具体的な控除の計算例として、以下のようなケースを考えてみましょう。
- 一般生命保険に対して、年間8万円の保険料を支払った場合、所得税控除は4万円、住民税控除は2万8,000円です。
- 介護医療保険と個人年金保険にもそれぞれ8万円ずつ支払っている場合、各4万円の所得税控除が追加され、合計12万円が控除されます。
このように所得税控除が最大12万円、住民税控除が最大7万円となることで、実際の税金負担が数万円軽減されるのです。特に年収が高い方や税率が高い所得層ほど、控除による還付額も大きくなりやすい傾向にあります。
ただし、控除を受けるには年末調整や確定申告で正確に手続きを行うことが不可欠です。生命保険料控除の申請を忘れると、この控除が受けられないため、税金が余分にかかることになります。保険料支払の領収書や控除証明書を年末調整や確定申告の際に忘れずに提出しましょう。
生命保険料控除によって、いくら税金が戻ってくるかは各人の支払った保険料と所得税率によって異なりますが、きちんと手続きを行うことで大きな節税効果が期待できることは間違いありません。
生命保険料控除の年末調整と確定申告の違い
生命保険料控除は、毎年の税金負担を軽減できる重要な控除制度です。しかし、年末調整と確定申告では控除を受ける手続き方法が異なります。そのため、控除を申請する人の属性や所得に応じて、どちらを選択すべきかを理解しておくことが大切です。
まず、年末調整とは主に会社員や給与所得者が対象の手続きで、毎年11月から12月にかけて勤務先で行われます。年末調整の目的は、給与から毎月天引きされている所得税の過不足を調整し、生命保険料控除などを反映させて払いすぎた税金を戻すことです。年末調整で生命保険料控除を申告する場合は、保険会社から送られてくる生命保険料控除証明書を「給与所得者の保険料控除申告書」に添付して提出するだけで手続きが完了します。
一方で、確定申告は主に個人事業主や副業収入のある人が対象です。年末調整を受けていない人や、給与所得以外の収入が20万円以上ある人は確定申告が必要です。確定申告で生命保険料控除を申請する場合、控除証明書と源泉徴収票を用意し、所得税額の計算に反映させていきます。また、年末調整を行っている会社員の方でも、年末調整で生命保険料控除の申告を忘れた場合や、医療費控除など他の控除もまとめて申請したい場合は、確定申告をすることで追加の控除を受けられます。
具体的な違いの例として、年末調整で生命保険料控除を申告していない場合、確定申告で初めてその年の保険料控除を申請することになります。また、副業収入のある給与所得者が年末調整のみを行っている場合、副業所得が申告されていないため、税務署から修正申告を求められることもあります。
要するに、年末調整は給与所得のみの方にとって簡便な手続きですが、控除の漏れや副収入がある場合には確定申告での申請が必要となります。自分の収入状況や申告したい控除内容に応じて年末調整と確定申告のどちらが適しているかを判断することが大切です。
確定申告で生命保険料控除をしないとどうなる?
生命保険料控除は所得税や住民税の負担を減らす大切な制度です。もし、この控除を申請しなかった場合には、支払う税金が増えてしまいます。
まず、生命保険料控除を申請しなかった場合、毎月の給与から天引きされた所得税の還付が受けられないことになります。たとえば、年末調整で生命保険料控除を申告していれば、支払った保険料に応じた金額が所得から差し引かれ、最終的に税金が少なくなる仕組みです。これにより、所得税や住民税の軽減が期待できます。
また、確定申告を行わない場合には、税務署からの問い合わせや追徴課税の対象になる可能性もあります。特に、副業や不動産収入などの給与所得以外の収入がある場合は、確定申告が義務です。申告を怠ると、無申告加算税や延滞税といった追加のペナルティが発生することもあります。
また、確定申告の期限を過ぎても還付申告は5年間遡って申告することが可能です。たとえば、2024年に生命保険料控除の申請を忘れてしまった場合でも、2029年までは遡って還付申告ができます。このように、控除申請を忘れても一定期間の間は救済措置があるため、控除漏れに気づいた場合には早めに申告を行いましょう。
まとめると、生命保険料控除を確定申告で申請しないと、本来より多くの税金を支払うことになり、還付金を受けられない場合もあります。忘れずに控除を申告し、税負担を軽減するようにしましょう。
生命保険料控除は会社に提出するのですか?
生命保険料控除の申告について、会社に提出する必要があるかどうかについて疑問を持つ方も多いでしょう。結論から言うと、給与所得者の方は年末調整時に生命保険料控除を会社に申請することで、所得税の負担を減らすことができます。会社に書類を提出することで手続きが完了し、面倒な確定申告を行う必要がないため、会社員やアルバイトの方にとって便利な方法です。
具体的には、年末調整の際、保険会社から届く「生命保険料控除証明書」を「給与所得者の保険料控除申告書」と共に勤務先に提出します。控除証明書は毎年10月から11月頃に保険会社から送付されます。この書類を使って、年間に支払った保険料が控除の対象となる保険料かどうかを確認します。
たとえば、年間に支払った保険料が一定額以上であれば、その支払い額が所得税と住民税から控除され、税負担が軽減される仕組みになっています。控除証明書の提出を忘れないようにし、会社の年末調整の締切日までに必ず提出することが重要です。
しかし、会社に年末調整の手続きを忘れた場合や、会社で年末調整を受けない方(自営業者や副業収入のある給与所得者など)は、翌年の確定申告で生命保険料控除を申請することができます。この場合、税務署に確定申告書を提出し、控除証明書も一緒に添付することで、控除を受けられます。
要するに、会社員の方であれば年末調整時に会社に提出することで生命保険料控除を申請できるため、手続きが簡単です。一方で、年末調整を行わない場合でも、確定申告によって生命保険料控除を申請し、税負担を減らすことができます。
どちらの方法も利用できるよう、控除証明書は大切に保管し、忘れずに提出しましょう。
生命保険料控除年末調整確定申告どっちで申請するかのポイント
- 生命保険料控除を確定申告で申請するやり方
- 確定申告で生命保険料控除を申告する際の書き方
- 生命保険料控除の申請方法をわかりやすく解説
- 確定申告で生命保険料控除を申請する場合の添付不要書類
- 確定申告で生命保険料控除を申請する際に妻の分も対象になる?
生命保険料控除を確定申告で申請するやり方
生命保険料控除は、確定申告を通じて所得税や住民税の負担を減らす手続きのひとつです。会社員の方で年末調整が間に合わなかった場合や、年末調整を行っていない自営業者、フリーランスの方に向けた手続きとして有効です。
生命保険料控除を確定申告で申請する際は、まず「生命保険料控除証明書」を用意しましょう。これは保険会社から毎年10月から11月に郵送で送られてきます。保険料を支払っている場合に届くもので、支払額や控除対象の金額が記載されています。もし、控除証明書を紛失した場合は、加入している保険会社に連絡をして再発行を依頼することが可能です。
次に、確定申告書の作成に進みます。確定申告書の作成は、国税庁の「e-Tax」サービスを利用するか、紙の申告書を用意する方法があります。特に、e-Taxを利用するとオンラインで申請でき、控除証明書を紙で提出する手間を省けます。ただし、控除証明書は申告後も5年間の保管が必要なので、紛失しないように注意しましょう。
確定申告書を作成する際には、「第二表」にある生命保険料控除の欄に控除額を入力します。生命保険料控除は「一般生命保険料控除」「介護医療保険料控除」「個人年金保険料控除」の3種類に分かれており、それぞれ記載されている保険料に応じて入力します。例えば、一般生命保険料の年間支払保険料が8万円を超える場合、控除額は最大の4万円となります。
さらに、「第一表」の「所得から差し引かれる金額」欄に控除合計額を記入します。これは、先ほど第二表で入力した控除額を合算したものです。
申告書の記入が終わったら、必要な書類(控除証明書など)と一緒に税務署へ提出しましょう。郵送でも提出可能ですが、e-Taxを利用すると、手続きが簡略化され、処理も早く進みます。
確定申告で生命保険料控除を申請することは、税負担を軽減する大切なステップです。ぜひ、漏れなく手続きを行い、控除による節税効果を最大限に活用してください。
確定申告で生命保険料控除を申告する際の書き方
確定申告で生命保険料控除を申告する際は、正確な記載と書類の添付が重要です。手続きの流れに従って書き方を確認していきましょう。
まず、手元に「生命保険料控除証明書」を用意します。次に、申告書の「第二表」に進み、各項目を埋めていきます。
「一般生命保険料控除」「介護医療保険料控除」「個人年金保険料控除」の3つの控除枠ごとに記入欄が分かれていますので、該当する保険料をそれぞれ記入します。各保険料の年間支払額を控除証明書に基づいて記載し、控除額も控除証明書に示される計算式に従って算出します。
続いて、「第一表」の「所得から差し引かれる金額」欄に合計控除額を転記します。ここでは、第二表で計算した控除額の合計値を記入します。例えば、一般生命保険料控除で4万円、介護医療保険料控除で2万8,000円、個人年金保険料控除で2万8,000円の場合、合計で9万6,000円が控除額として記入されます。
紙での申告を行う場合は、控除証明書を添付する必要があるため、忘れずに同封しましょう。e-Taxで申請する場合は控除証明書の提出が省略できますが、控除証明書の保存が求められます。
正しい記入と添付書類の準備で、確定申告による生命保険料控除がスムーズに行えます。初めての申告で不安がある場合は、e-Taxのガイド機能や税務署のサポートを活用し、安心して手続きを進めましょう。
生命保険料控除の申請方法をわかりやすく解説
生命保険料控除の申請は、年末調整や確定申告を通じて手続きを行いますが、どちらの方法でも控除を受けることが可能です。会社員の方であれば年末調整での申請が一般的ですが、自営業やフリーランスの方は確定申告が必要です。それぞれの流れを具体的に解説します。
1. まず、生命保険料控除証明書を準備
保険料を支払っている方には、毎年10月から11月ごろに保険会社から「生命保険料控除証明書」が送られてきます。控除を申請する際にはこの証明書が必要になりますので、必ず保管しておきましょう。
2. 年末調整で申請する方法
年末調整を行う際、勤務先から配布される「給与所得者の保険料控除申告書」に記入します。この書類に、控除証明書に記載されている保険料の種類や金額を転記し、勤務先へ提出するだけで完了します。
会社員の方であれば、年末調整を活用することで、手続きが簡単であるだけでなく、必要な書類の提出も勤務先を通じて行えるため、控除の申請がスムーズです。
3. 確定申告で申請する方法
一方で、自営業やフリーランスの方は確定申告で申請を行います。確定申告書の「第二表」に、保険料の金額を種類ごとに記載し、「第一表」に合計控除額を記入します。
さらに、e-Taxを利用するとオンラインで簡単に申請ができ、控除証明書の郵送が不要となります。ただし、控除証明書は5年間保管する必要があるため、大切に保存しておきましょう。
4. 控除額の計算例
控除額は、新契約と旧契約で計算方法が異なります。例えば、一般生命保険料で新契約に該当する場合、年間支払額が8万円を超えると、控除額は最大4万円となります。住民税の場合も上限額が設定されていますので、必要に応じて税務署や税理士に確認しましょう。
生命保険料控除の申請を行うことで、支払う税金の負担を軽減できます。年末調整や確定申告の方法に沿って、適切に手続きを進めてください。
確定申告で生命保険料控除を申請する場合の添付不要書類
確定申告で生命保険料控除を申請する際に、e-Taxを使用すると「生命保険料控除証明書」を添付する必要がありません。この点は、申請の際に覚えておくと便利です。
1. e-Tax利用で添付不要
e-Taxは、国税庁が提供するオンライン申請システムで、インターネットを通じて確定申告が完了するため、提出の手間が省けます。控除証明書自体は不要ですが、申告後も5年間の保管義務がありますので、しっかりと保管しておきましょう。
2. 紙での提出の場合は控除証明書が必要
一方、紙での申告を行う場合は、控除証明書の添付が必要です。申告書類と一緒に税務署へ郵送または持参します。特に、初めての確定申告の場合は、控除証明書を見ながら金額を正確に記入し、添付を忘れないように注意しましょう。
3. 添付不要書類の注意点
e-Taxで申請する場合、控除証明書以外にも、支払調書や源泉徴収票の原本も添付不要となるケースが多いです。ただし、証明書の内容に誤りがないか事前に確認し、不備がないようにしましょう。
生命保険料控除の申請では、e-Taxを利用することで、手続きを簡素化できます。紙の申告よりも効率的に処理が進むため、インターネット環境がある場合は活用してみてください。
確定申告で生命保険料控除を申請する際に妻の分も対象になる?
生命保険料控除を確定申告で申請する際に、配偶者である妻の分も対象にできるかどうかは、多くの方が気になるポイントです。結論からいうと、妻の生命保険料控除は「支払った人」によって対象が異なります。
つまり、保険料を支払っている人が誰かによって、控除の対象になるかどうかが決まります。ここでは、具体的にどのようなケースで妻の保険料も控除対象にできるのかについて説明します。
1. 妻の保険料を夫が支払っている場合
もしも夫が妻の生命保険料を支払っている場合、その保険料も夫の生命保険料控除の対象に含めることが可能です。この場合、妻の生命保険の契約があっても支払者が夫であれば、申告者である夫の控除対象として計上することができます。
ただし、保険契約者が夫である場合と異なり、妻が契約者の場合には税法上の取り扱いが異なる場合もあるため、保険会社や税理士に確認するのが安心です。
2. 妻の口座から保険料が支払われている場合
一方で、妻の保険料が妻の口座から支払われている場合は、夫の確定申告において控除対象にすることはできません。この場合、夫が妻の扶養控除を受けていたとしても、生命保険料控除は「支払者が申告者本人であること」が条件となっているためです。
この場合、妻が個別に申告することでしか控除の対象にはならないため、保険料の支払い者が誰であるかは大切なポイントです。
3. 妻が無収入や少額収入の場合はどうなる?
また、妻が専業主婦で収入がない場合や少額収入である場合、妻の生命保険料控除を夫が受けることはできませんが、妻が個別に控除を受けるのも難しい状況です。
このような場合、家庭全体での税負担の減少は限定的になることがあるため、家族全体の控除額を最大化するよう工夫することが重要です。例えば、夫が支払者になるように契約変更を行うことも検討できます。
4. 控除の対象となる条件を確認
生命保険料控除は基本的に、保険料を支払っている人が申告を行う場合にのみ適用されます。また、保険金の受取人が申告者かその親族であることなど、控除の対象となるための条件が設定されています。
この条件を満たしていないと控除は適用されないため、妻の分を申告する際は保険契約や支払者の名義を必ず確認しましょう。
まとめると、確定申告で妻の生命保険料控除を受けるには、支払者が申告者本人である必要があります。妻の保険料を夫が支払っている場合には控除対象となりますが、妻の口座から支払われている場合には控除できない点に注意しましょう。
家族全体で控除を有効に活用するためにも、支払者や契約者について正確に確認し、最もメリットが出る形で申告を行いましょう。
生命保険料控除年末調整確定申告どっち?生命保険料控除と還付額、いくら戻るかを確認しよう
- 生命保険料控除の還付額はいくらになる?
- 生命保険料控除 年末調整と確定申告での二重申請は可能か?
- 確定申告で生命保険料控除をした場合年末調整済みの影響は?
- 生命保険料控除年末調整確定申告どっちのまとめ
生命保険料控除の還付額はいくらになる?
生命保険料控除を受けることで、所得税や住民税の負担を軽減できるため、多くの方が節税効果を期待しています。しかし、還付額が具体的にどのくらいになるのかは、払込保険料の額や所得状況などによって異なるため、気になるポイントですね。
ここでは、還付額がどのように決まるのか、具体的な例を交えながら解説します。
1. 還付額の計算に影響する2つの税金
生命保険料控除による還付額は、「所得税」と「住民税」の2つに分けて考えます。
所得税は累進課税のため、控除後の所得が低ければ低いほど税率が下がり、より大きな還付額が期待できます。一方、住民税は一律10%の税率です。
所得税と住民税で控除額に違いがあることに注意が必要です。
2. 還付額を左右する「控除額」の仕組み
生命保険料控除の還付額は、年間で払い込んだ保険料に応じた控除額に基づいて計算されます。新制度に基づく控除額は以下のようになります。
- 所得税:年間払込保険料8万円以上で一律4万円が控除
- 住民税:年間払込保険料5万6,000円以上で一律2万8,000円が控除
例えば、所得税率が10%の人が年間8万円以上の生命保険料を払った場合、所得税で4,000円、住民税で2,800円が控除され、合計6,800円の節税が可能です。
さらに、生命保険、介護医療保険、個人年金保険の3つの保険を併用している場合、控除額の合計も上がるため、還付額もより大きくなります。
3. 具体的な控除の計算例
具体的な還付額を見てみましょう。
例として、年間で総額12万円の保険料を支払っている場合を考えます。
- 所得税:12万円の保険料 × 控除率(10%)で4,000円
- 住民税:7万円の控除 × 控除率(10%)で2,800円
以上から、年間の還付額は6,800円となります。
4. 控除額の上限に注意
控除額には上限があるため、支払った保険料すべてが還付対象となるわけではありません。
また、還付額は税率にも影響されるため、高所得者の方が還付額が高くなる可能性がある点も意識しておきましょう。
こうした控除の仕組みを活用することで、毎年の税負担を効率的に減らすことができます。控除の申請を忘れずに行い、還付額を最大限に活用しましょう。
生命保険料控除 年末調整と確定申告での二重申請は可能か?
生命保険料控除を「年末調整」と「確定申告」の両方で申請して、控除を二重に受けることができるのか疑問に思う方も多いかもしれません。
ここでは、年末調整と確定申告での生命保険料控除について、二重申請が可能かどうか、注意点も含めて解説します。
1. 二重申請は基本的に不可
結論として、年末調整と確定申告の両方で生命保険料控除を申請することはできません。年末調整で控除を申請した場合、確定申告で再度控除を申請することは二重計上となり、不正申告と見なされる可能性があります。
もし二重申請が発覚した場合、ペナルティが科される可能性もあるため注意が必要です。
2. 年末調整後に確定申告が必要な場合
年末調整後に所得が大きく変動した場合や、医療費控除や寄附金控除など他の控除を追加で申告したい場合には、確定申告が必要です。
この場合、年末調整で控除した生命保険料控除は申請し直す必要はなく、他の控除だけを追加で申請すれば問題ありません。
また、年末調整で申請を忘れた生命保険料控除についても、確定申告で補完する形で申請が可能です。
3. 年末調整と確定申告の使い分け
年末調整は会社が行う手続きで、給与所得者の多くは年末調整のみで控除を済ませることができますが、自営業者や副業所得のある方など、年末調整を行わない方は確定申告で生命保険料控除を申請する必要があります。
このように、年末調整と確定申告はそれぞれの所得形態に応じてどちらか一方で申請するものです。
4. 二重申請を防ぐためのポイント
年末調整と確定申告を混同しないよう、控除申請の際に生命保険料控除証明書の提出状況を確認することが大切です。
特に確定申告をする際は、控除証明書が年末調整で使用済みでないかを必ずチェックし、不要な申請を避けましょう。
以上のように、年末調整と確定申告での二重申請は基本的に認められていませんが、条件によっては確定申告で補完できるケースもあります。
正確な申告を行い、トラブルなく生命保険料控除の節税効果を得ましょう。
確定申告で生命保険料控除をした場合年末調整済みの影響は?
生命保険料控除を年末調整で申請した後に確定申告を行う場合、「年末調整済みの影響」が気になる方も多いでしょう。
年末調整での申告内容が確定申告にどう影響するか、また、年末調整済みでも確定申告で保険料控除を申告できるケースについて詳しく解説します。
1. 年末調整済みでも確定申告が必要な場合
通常、年末調整で申告した生命保険料控除はその年の所得控除として計上されるため、再度、同じ内容を確定申告で申告する必要はありません。
ただし、次のようなケースでは確定申告が必要となる場合があります。
- 年末調整後に追加で申告したい控除がある(例:医療費控除や寄附金控除)
- 年末調整時に生命保険料控除を申請し忘れていた場合
これらの場合には、年末調整での生命保険料控除の申告内容を再計算せずに、他の控除や追加の生命保険料控除を確定申告で行うことが可能です。
2. 年末調整の控除済み分が確定申告に反映される仕組み
年末調整では、会社が給与所得者に代わって生命保険料控除を含むさまざまな控除を税務署に報告します。
そのため、年末調整で申告済みの生命保険料控除を確定申告で再度申告してしまうと、重複して控除されることになります。
確定申告では、所得税の追加還付や控除漏れの修正を行うことが可能ですが、重複申告を防ぐために生命保険料控除の部分は記入を控えるか、他の控除項目のみを追加申告するようにしましょう。
3. 二重申告によるペナルティの可能性
確定申告で年末調整済みの生命保険料控除を再度申告することは、「二重申告」と見なされることがあります。
二重申告は不正申告と判断される場合もあり、場合によっては追加の税金やペナルティの対象になる可能性もありますので注意が必要です。
年末調整で控除済みの金額が確定申告でどのように反映されるかを事前に確認し、確定申告の際には控除項目の重複に気をつけましょう。
4. 年末調整後の生命保険料控除を確定申告で修正する方法
年末調整時に生命保険料控除の申告を忘れた場合や控除額に誤りがあった場合、確定申告で修正申告が可能です。
この場合、確定申告書の生命保険料控除欄に正しい金額を記入し、控除漏れや金額の誤りを補正することで、過不足なく控除が適用されるようになります。
修正が必要な場合は、手元に生命保険料控除証明書を用意し、正確な金額で申告することを心がけましょう。
5. 年末調整と確定申告の活用で適切な控除申請を
年末調整での生命保険料控除がすでに適用されている場合、確定申告では他の控除のみ追加申告することで、適切な税控除の効果を得ることができます。
年末調整済みの生命保険料控除が確定申告にどのように影響するかを理解し、二重申告や控除の見落としを防いで、正確に節税効果を最大化しましょう。
生命保険料控除年末調整確定申告どっちのまとめ
- 年末調整は会社員や給与所得者が勤務先で行う手続きである
- 年末調整では、給与から差し引かれた所得税の過不足を調整できる
- 年末調整では生命保険料控除を申告し税負担を軽減できる
- 確定申告が必要なケースは年収2,000万円以上や副収入20万円以上などである
- 医療費控除や寄付金控除を受けたい場合も確定申告が必要である
- 年末調整で申告漏れがあれば確定申告で補完できる
- 確定申告をすると追加の税金還付を受けられる可能性がある
- 生命保険料控除の還付額は所得税最大12万円、住民税7万円である
- 確定申告では控除証明書と源泉徴収票が必要である
- 年末調整済みの控除申請内容を確定申告で再申告は不可
- 年末調整では確定申告と比べ手続きが簡便である
- 控除申請を忘れると税負担が増えるため注意が必要である
参考
・生命保険60歳の更新どうすればいいか迷う方必見!見直し方の徹底ガイド
・生命保険新旧わからない問題を解決!契約日別にすぐ見分けられる方法
・生命保険入らない後悔知恵袋に学ぶ、後悔を避けるために必要な準備とは
・生命保険入らない方がいい知恵袋で即効学べる5つの節約メリット
・生命保険 入ってない知恵袋で分かる経済的リスク
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